豚 の 残飯
- Rolf Reeves
- Oct 30, 2023
- 4 min read
食品残渣を豚の餌にすることについて
関連の法律では、また机上の行政からすれば何ら問題はなく、飼料化はエコ志向で歓迎されニュースになります。けれど、このような安易な解決には落とし穴があります。 昔「残飯養豚」が各地にありました。金を払って残飯を集め、安い生産費で利益を生む特異な畜産でした。しかし、30年前から廃業が続き、すでに忘れさろうとしております。その原因は、厚脂(背中の脂肪層が多すぎる)になるためおおむね等外品とされ格安に取引されること、必要量以上に残飯を引き取り腐敗が発生する、防疫上の問題、公害の発生です。このため、現在では自衛隊などは残飯処理のため高額の処理費を負担しています。 機械屋は保存のため乾燥や発酵のための施設も考案しております。しかし元来油ものが多いため、市販飼料の脂肪含有率の2倍から3倍を含んでおり、与えた豚の厚脂発生だけでなく脂肪酸化から軟脂(柔らかい脂肪)の発生も懸念されます。実際には、残飯だけで豚を肥育することは難しく、低脂肪の飼料と混ぜて与えなければなりません。このため、主流の大規模養豚企業では使えない技術になります。コンビニなどが集荷する経費と人件費も考慮すれば、普遍的な実用技術とは考えられません。これは、コンビニなどでは弁当などの仕入れが常に過剰になること、廃棄する弁当などの処理費を引き下げたい販売業者の願望からの安易な検討で、企業のエコへのPR手段にすぎない、言い換えれば「偽装エコ」ですね。利用者である養豚から発想すれば、都市周辺での集荷・処理・貯蔵・輸送施設で都市にある食品残さ全てを対象に検討するでしょう。豆腐かす、食パンの耳、回収食品など、飼料資源は大量に存在しますが、企業単位で処理しようとしても企業エゴを生むだけです。

ご回答ありがとうございました。 法律や制度上の問題の他に、有効性の問題もあるのですね。 有用な考え方をご教示頂きありがとうございました。
食品の残り動物の餌にリサイクルするのは?
コンビニのお弁当には添加物が含まれているものもあります。人間には害がなくても、体の小さい犬や猫のようなペットには、害になることもあります。豚は成長すると、並の人間よりも体が大きくなりますし、雑食なのであまり害がないから、与える場合もあるんだと思います。ただ、コンビニの残飯には、豚肉も含まれていますよね。豚に豚肉を食べさせるというのは、正直に言えば気分の良いものではないです。 10年ほど前、狂牛病騒動がありました。牛に、病気になった家畜の肉骨粉を与えたことが原因だと言われています。牛は本来は草食動物で、肉骨粉のような動物性の餌は食べません。ですが、植物性の餌が高騰し、代わりに安価に手に入る動物性の餌を与えたことで、牛が病気になったのです。その反省というわけではないでしょうが、国産で、ブランド肉となるような家畜を育てている畜産農家は、餌にもこだわっています。そして、リサイクルということなら、特定の飲食店から出る野菜くず(残飯ではなく、調理段階で出る野菜の皮など)を引き取って家畜の餌とし、家畜の糞をたい肥にして農家に使ってもらい、その農家が育てた野菜を飲食店に卸すという、そういう形でのリサイクルを進めている地域もあります。 それから、飢える動物がいなくなると書かれていますが、家畜やペット、動物園で飼育されている動物等で、飢えている動物はいないと思います。お金がなくてペットの餌も満足に買えないのなら、そもそもペットを飼う資格がありません。人の保護下にある動物で飢えている動物はいないはずなので、'飢える動物'として想定しているのは、野生動物でしょうか?まず、野生動物に与えるための餌をローコストで販売して、誰が買うのですか?そして、いわゆる残飯と呼ばれるものは、家庭で出る生ごみとほぼ同じものですから、むやみにそういうものを野生動物に与えれば、ゴミ捨て場を荒らされる等の被害が拡大します。今でもクマが出る地域では、人の食べ物の味を覚えたクマが人里に降りてきて、迂闊に外出すれば人間の方が襲われるということもあります。捕獲しても逃がす場所がなく、再度人里へ降りてきてしまうこともあるため、可哀想だけど射殺せざるを得ないということもあるようです。飢えから救っても、結果射殺されることになるのなら、かえって野生動物には不幸ですね。 人間が食べるものをそのまま動物に与えることは、望ましくないことの方が多いです。食品残りをそのまま廃棄するのはもったいないですが、だからと言ってそれを動物に与えるというのは、ある意味で虐待にもなり得ます。そもそも廃棄される食品を減らす、なくすことができれば、残飯もなくなっていき、残飯をリサイクルするなどということを考える必要もなくなります。
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