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羅生門 感想 簡単

  • Writer: Rolf Reeves
    Rolf Reeves
  • Sep 22, 2023
  • 4 min read

芥川龍之介『羅生門』あらすじと読書感想文(シンプルな書き方です)

荒廃した京都の羅生門の下で、ある下人が雨宿りをしていた。彼は数日前に主人からひまを出されて、行くあてもなく途方に暮れていたのである。生活のために盗人になることを思いついたが、そうする勇気を持っていなかった。一晩を門の楼の上で明かそうと、楼の上に登っていくと、そこに一人の老婆がいることに気づく。そして、無数の死体が転がっている楼の上で、老婆がその中の女の死体から髪の毛を抜いているのを見つける。下人が老婆に髪の毛を抜く理由を尋ねると、餓死しないために髪の毛を抜いて鬘をつくるのだと答え、さらに、この女は生前に人をだまして商売をしていたのだから自分も悪いことをしてもかまわないのだ、と語る。老婆の話を聞いた下人は盗人になる決意をかため、老婆から着物を奪い羅生門から去っていく。 物語は下人の心情の変化をたどりながら展開していく。羅生門の下で途方に暮れている下人の姿は、同じく芥川の『杜子春』の冒頭部分に似ている。杜子春は、財産を使いはたして明日の暮らしに困りはてて道ばたにたたずんでいる。不透明な先行きに打開策を見出しきれない姿は、下人も杜子春も、どちらも同じなのだが、下人はある考えを持っていた。それは盗人になって悪事をはたらくことによって生きていこうという考えである。しかしながら、彼にはそれを肯定する勇気がない。つまり、この時の下人には、悪事をはたらくことを嫌う道徳心があった。だから、死人の髪の毛を抜く老婆の姿を目にした時も、「下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に許す可らざる悪であった」ので、悪に対する憎悪の心を深めていくのである。 しかし、悪を憎む下人の心は老婆の話を聞いたことによって一変する。老婆の話によれば、いま髪の毛を抜いた女は、生前に蛇を魚と偽って売っていた。それは餓死しないためにしかたなくしたことであるから、悪いことだと思わない。女の髪の毛を抜く自らも、餓死しないためにしかたなくするのだから、同じように悪いことではない。下人は以上のような老婆の話を聞くうちに、以前は欠けていた勇気を呼び起こす。すなわち、盗人になって悪事をはたらく勇気である。生きるためには悪いことを悪いことと思わぬような勇気がなければならないと自然に悟ったのである。その時の下人の心のうちは、「餓死などと云う事は、殆、考える事すら出来ない程、意識の外に追い出されていた」のだから、下人にとって盗人になるということがもはや善悪という対立軸を乗り越えて、生きるための条件となったのである。 誤解してはならないのは、作品が悪を肯定しているわけではない点である。あくまでも、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた時に見せる人間の生への執着心や、他者を押しのけて生きのころうとする利己心が描かれているのだ。ただし、善悪の判断というものは、時と場合によって、さらにはその人の置かれた立場によって変化する移ろいやすいものであると言える。自らの利益にかなうものは善であり正義である。反対に、自らに不利益を及ぼすものは悪である。人々が世間一般の倫理観を無視してそのような主張を押しとおすならば、それぞれの利害が対立しあらそいが生まれる。現在でもなお、世界各地で戦争や紛争が絶えないのは、それが歴史認識からもたらされるあらそいであれ、宗教間の対立によってもたらされるあらそいであれ、お互いがお互いに自らの主張を正しいと信じて墨守するからである。 けっきょく盗人になるという下人の判断は必ずしも肯定できるもではない。いっぽうで、簡単に非難することもできない。なぜなら、下人の置かれた立場が、生死を問われる厳しい局面にあるからである。しかし、下人の行動の中にも、我々が見ならうべき点はあるかもしれない。それは、下人が老婆の話に耳を傾けた点である。下人は、老婆に対する憎悪の心を燃やしながらも、老婆の話にはしずかに耳を傾けた。たしかにそれは単なる好奇心から来る行動であったのだろうが、それでも老婆の話に冷静に耳を傾けたのは意味のあることだ。その結果もたらされる下人の判断は肯定できかねるが、傾聴するという姿勢そのものは、あらそいの解決に向けた第一歩になるのではないだろうか。

まとめ

 
 
 

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