甲冑 部位 名称
- Rolf Reeves
- Sep 22, 2023
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甲冑の基本解説 - 刀剣ワールド
弦走 (つるばしり) 胴の前面に鹿革を貼った物。弓の弦を引く際に、弦が胴を構成している小札に引っかからないようにする目的で施されました。 脇楯 (わいだて) 大鎧に特有の部品。胴体の右脇を守る部分だけを独立させたもので、脇腹に当たる部分は鉄板で「壺板」(つぼいた)と呼び、そこから「草摺」(くさずり)を下げます。大鎧を着用するときは、まず「脇楯」(わいだて)から付けるのが原則でした。 立挙 (たてあげ) 胴体の上半分を防御する部分。胸側は前立挙、背中側は「後立挙」(うしろたてあげ)と区別します。大鎧は後立挙に「総角」(あげまき)を結び下げます。 長側 (ながかわ) 胴体の下半分である腹まわりを防御する部分。大鎧の場合は、脇楯を右脇に当てるため、前面、左脇、背面の3ヵ所を一続きにしたコの字形に構成します。

蝙蝠付韋 (こうもりづけのかわ) 芯となる丈夫な革を絵韋(えがわ)で包み、左右の草摺を取り付けるための台形状の革で、蝙蝠が翼を広げた姿に似ていることから、こう呼ばれています。 揺糸 (ゆるぎのいと) 胴と草摺をつなぐ「威毛」(おどしげ)。大鎧の場合は前後の草摺を付けるために行います。 草摺 (くさずり) 大鎧における草摺は、前後左右の4間(けん)に分かれ、腰から下の四方を台形状の箱のようにして囲んでいます。右側の草摺は、胴の右側をカバーする脇楯に付属している物です。 引合緒 (ひきあわせのお) 着用した胴を締めるための緒で、大鎧は右脇の前後に付けます。
胴丸
胴丸の登場
各部の名称
背面の「押付板」(おしつけのいた)から両肩を渡らせて、先に取り付けられた高紐で胴前面にある胸板へとつなぐ装置。柔軟性のある革が用いられました。 押付板 (おしつけのいた)
杏葉 (ぎょうよう) 「杏葉」(ぎょうよう)は、胴丸着用者の肩を守るために肩上に取り付けられた鉄を革でくるんだ葉状の防具です。当初、胴丸には肩を守る袖はありませんでしたが、胴丸に袖を付属させるようになると、胴前面にぶら下げられるようになりました。 前立挙 (まえたてあげ)
長側 (ながかわ) 胴丸の長側は、歩きやすいように裾すぼまりの形に構成されます。 胸板 (むないた) 胴前部の最上段にある板。実戦において弓を使用しなくなったことで、大鎧よりも幅が広くなっているのが特徴です。 脇板 (わきいた)
脇部分をカバーするために取り付けられた鉄板で、腕を動かしやすいように凹型にされています。引き合わせ部分となる右側の脇板は、2枚に分割されており、後ろの脇板を前の脇板に重ね合わせて引き合わせるため、後ろの脇板は大きく作られていました。 引合緒 (ひきあわせのお)
胴右側にある引き合わせ部分が離れてしまわないように結び付けるための緒。 胴先緒 (どうさきのお=繰締緒:くりじめのお) 胴を締めて結ぶために、胴の裾に設置された緒です。 総角 (あげまき)
揺糸 (ゆるぎのいと) 胴と草摺をつなぐ威毛。胴丸の草摺はすべて、蝙蝠付韋ではなく「揺糸」(ゆるぎのいと)で胴に連結します。 草摺 (くさずり) 大鎧においては4間でしたが、胴丸の草摺は8間に分割されました。その経緯については、足さばきをよくするために、大鎧の4間をさらに二分したと考えられています。
腹巻
腹巻の登場
各部の名称
肩上 (わだかみ) 柔軟性のある革が用いられた点や、形については、胴丸と同様ですが、腹巻には杏葉がなかったことから、杏葉を付属させるための緒はありませんでした。 引合緒 (ひきあわせのお) 腹巻は、背中で引き合わせるため、引合緒は押付板に設置されていました。 胸板 (むないた) 胸板については、胴丸とほぼ同様です。 押付板 (おしつけのいた) 材料や形状などについては、胴丸とほぼ同様です。もっとも、背中で引き合わせるという腹巻の特性から、二分されていた点が異なっています。 立挙 (たてあげ) 立挙についても、材料や形状などについては胴丸とほぼ同様。しかし、背中で引き合わせることから、後立挙が二分されていた点において差異が見られます。 脇板 (わきいた) 腹巻は背中で引き合わせるため、脇板については左右同じ物が用いられました。その材料や形状は、胴丸の左側に設置された、分割されていない脇板とほぼ同様です。 長側 (ながかわ)
胴丸と同様に、ひと続きで制作されました。もっとも、背中で引き合わせる形式であるため、左右対称の形となっています。 胴先緒 (どうさきのお=繰締緒:くりじめのお)
胴を締めて結ぶために背面の胴先(どうさき:胴の端)に1条ずつ設置された緒。各緒を背後で交差させて前面に回し、正面で結び合わせて使用します。胴丸と異なり、緒を通して引き戻すための「鐶」(かん)などのない、簡易的な方式でした。 草摺 (くさずり) 腹巻の草摺は、胴丸(8間)とは異なり、原則として7間。前の正面に1間を配置し、左右に3間ずつを配置しており、真後ろについては草摺がない状態でした。これをカバーしたのが背板に縅し付けられた1間分の草摺です。 背板 (せいた) 背板が登場したのは、白兵戦が各地で行われていた室町時代後期であると言われています。胴と同じ段数の小札板を縅し、金具廻(押付板)に取り付けた鞐(こはぜ:留具)を肩上の「綰」(わな)につなげて取り付けることで、背中にできる隙間を覆ったのです。 総角 (あげまき) 腹巻の胴本体に総角は付けられないため、背板に設置します。
当世具足
当世具足の登場
各部の名称
吹返 (ふきかえし) 当世具足の兜に付く吹返は小型化し、単なる装飾に変化。最初から吹返を省略した兜も少なくありません。 錣 (しころ) 当世具足の兜から下がる錣は、戦闘の激化を反映して広がりを抑え、首筋を守ることを強く意識した形状に。なかでも「日根野形」(ひねのなり)というタイプが一般的です。 脇立 (わきだて) 兜の立物のうち、鉢の側面に設置した物。当世具足においては、鹿の角や水牛の角など、様々な物がモチーフとして用いられました。反面、これらが障害物に引っかかってしまうなど、実戦において邪魔にならないように、紙や木など、軽く折れやすい素材で制作されていたと言われています。
前立 (まえだて) 立物のうち、鉢の前面に設置した物。戦国武将「直江兼続」(なおえかねつぐ)の「愛」に代表されるように、武将は自らの信条を掲げる前立を制作・設置していました。 面頬 (めんぽお/めんぼお)
立挙 (たてあげ) 当世具足の胴の大きな特徴は、立挙と長側の「札板」(さねいた)の段数が、古い時代の胴丸よりそれぞれ1段増えたこと。つまり、前立挙は3段、後立挙は4段になるのです。 長側 (ながかわ) 当世具足の長側の段数は通常5段。立挙の段数増加とともに、全身防御の意識が表れたものとされます。 引合緒 (ひきあわせのお) 着用した胴を締めるための緒で、大鎧は右脇の前後に付けます。 胴先緒 (どうさきのお=繰締緒:くりじめのお) 胴を締めて結ぶために、胴の裾に設置された緒です。 籠手 (こて)
草摺 (くさずり) 当世具足は、定まった形式がなかったのが特徴です。そのため、草摺についても、段数や間数についても決まったルールはありませんでした。 佩楯 (はいだて) 「佩楯」(はいだて)は、「膝鎧」(ひざよろい)とも呼ばれる小具足で、草摺の裾から「臑当」(すねあて)の間を守る防具です。南北朝時代以降、戦闘の激化と共に進化・発展してきました。 臑当 (すねあて) 臑当は、膝からくるぶしまでを守る小具足で、古代から用いられていました。当世具足においては、鎧兜とひと揃えで制作されるのが一般的だったと言われています。



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