版画 の 道具
- Rolf Reeves
- Sep 22, 2023
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版画 の 道具
彫刻刀には、その作業に応じた刀があります。主に 印刀、丸刀、三角刀、平刀などがあります。 画像の左から6ミリの印刀、6ミリ三角刀、6ミリの平刀、3ミリの丸刀、6ミリの丸刀です。基本的にこの5点があればよいでしょう。 画像に見える方が刃の表刃でその裏側が裏刃といいます。

私も、「ちょっと年賀状を、、」と 200円ほどのバレンを買って、全然刷れなかった経験があります。 竹の繊維を撚り合わせたバレン芯を使った本バレンはすばらしいものです。 しかし、高価なので、最初はプラスティック製のディスクバレンをおすすめします。竹皮の交換も必要なく入門用に適していると思います。
刷毛は版面で絵の具とのりを混ぜ合わせ、広げるために使います。画像の上に3個並んでいるのが丸刷毛、版面の大きさによって使い分けます。 画像右下に3本並んでいるのは刷り込み刷毛です。 小さな版面などに使います。(鹿の夏毛と冬毛がありますが、私は夏毛が使いやすくてよいかと思います。) 画像左したに並んでいるのは、運び筆です。絵の具を版面に運ぶためのものです。 (バレンの竹皮が破れたら繊維を細かく裂いて運び筆を作ったりします。)
和紙には、美濃紙、鳥の子、奉書紙、がんぴ紙などの種類があります。 そして、匁(もんめ)という単位で和紙の厚みが変わってきます。3~25匁ぐらいのものがありますが、厚みが厚くなるほどバレンの効き目が落ちます。 多色摺りなど何度も摺る作品にはこうぞ100%の和紙を使われることをおすすめします。 また、10~12匁の和紙が使いやすいと思います。
版木にもいろいろな種類があります。さくら、ホウ、カツラ、シナベニヤなどがあります。 シナベニヤは安価で、大型の作品づくりにも向いています。(建築用のシナベニヤと木版画用のシナベニヤは構造が違いますのでご注意ください。) 彫りの前に版木を磨いておくことをおすすめします。ベタ刷りがとても楽になります。 まず、120番のサンドペーパーをかけて、次に400番のサンドペーパーをかけておくとよいでしょう。その時に、木目と同じ方向にペーパーをかけるようにしてください。
木版画に使う絵の具には、水性絵の具と油性絵の具、大きく分けて2種類あります。油性絵の具や各種インクなどは、油分が多すぎて紙を痛めたり、版木を痛めたりするので注意が必要です。 水性絵の具にも、不透明水彩、透明水彩、日本画用水性絵の具、ポスターカラーなどがあります。 こちらは、紙や版木を痛めることはなく、日本画の粉末絵の具を除けば扱いも簡単でおすすめです。
下絵のトレース、版木に転写のときに、シャープペンシルや定規、トレーシングフィルム(トレーシングペーパーよりも正確にトレースできます。) カーボンペーパーが必要です。刷りの段階では 澱粉のりや和紙を湿すときの厚紙が必要になります。
そもそも版画ってなに?版画の種類や特徴を紹介!
そもそも版画とは何か。 版画とは現代で言うところのコピーなどの印刷技術の始まりとされています。 14世紀の末ごろにヨーロッパで木版画が出現し、ついで15世紀前半に銅版画が生まれました。その後も、その時代や産業に合わせ、石版を使った平版や現代のオフセット印刷と印刷技術が発展していきました。初期の版画は民衆芸術的な色彩が強く、聖地巡礼の記念品としての聖書の題材や聖像を表したもの、護符、ゲーム・カード、書物の挿絵などに用いられていました。
絵を版画にする意味とは
複製ができる
一番の特徴としては、何と言っても 複製ができること。 先ほど、版画は印刷の始まりと言ったようにただアートとしての作品ではなく、印刷としての特性も備えています。なので、一つの作品を版にして作れば同じ作品を何枚も刷ることができます。これが、油絵や水彩で制作したものだったらなかなか同じ作品を同じように描くのはとても大変ですし、時間もかかってしまいます。また、複製することで 他の人や、自分用としても同じ作品を共有することが可能になります。 その作品があまりに好評ならもっと多くの人に同じ作品を渡すことも可能になります。しかも、複製した作品の全てが原画=オリジナルなのです。
途中段階を残すことができる
例えば、油絵や水彩画などの作品は制作過程を一つの作品として残すことができません。ですが、銅版画の場合は何度も途中、途中で確認しながら徐々に完成に近づいていくので、「まだ出来上がってないけど、この段階の表情面白いな。。」と思ったら 何枚か刷っておけば作品として残すことができます。 その後は加筆してしまうので戻ることは出来ませんが、途中で立ち止まることは出来ます。
制作過程が作品として残せるのは銅版画だけ ステート(state)ってなに? 今回は、銅版画でよく使われるステート(state)について解説していくよ。 ステートってなに?? 【ステート (state)は刷りの過程の段階のこと】 ステートとは刷りの過…
制作する過程が好きで楽しい
紙にペンで描いた方が早いし、修正も簡単にできます。それに比べ版画はとても時間がかかり、自分がイメージしていたものと違う風に出来上がることもあり、もどかしいこともあります。ですが、それが楽しいんです!例えるなら理科の実験や料理に近い感じです。8割型の予想はついているのですが、いざ作ってみると「あれっ??なんか違うな。。」「あれっ、、意外にイイかも!!」と言う偶発的な部分があります。そこがこの版画の魅力の一つだと思います。



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