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年 上 金 の わらじ

  • Writer: Rolf Reeves
    Rolf Reeves
  • Sep 22, 2023
  • 5 min read

一つ年上の女房は金の草履を履いても探せ~日本の迷信~

女性は若くて可愛い方が良いというのは、男性がよく言う決まり文句です。 しかし、 古くから結婚相手として望ましいと言い継がれてきたのは、一つ年上の女性 です。 最近は、働く女性も増えて結婚する年齢も高くなりました。 気が付いたら子供を産める結婚適齢期が終わることに気が付いて、慌てて相手を探すということもよく聞く話です。 男性も昔ほど結婚願望が無く、自分の時間を大切にする人が増えました。 さらに結婚にこだわらずに、共同生活を続けるカップルが増えています。

主婦の役目を果たせるしっかり者を探せ

「金の草履を履いても探せ」とは、 結婚する相手の女性は根気よく探して歩け ということです。

「金の草履」とは高価な貴金属の金のことではなく、 鉄製の 草履を指しています。 藁と違い、どんなに歩いてもすりきれない草履をはいて、我慢強く歩きまわれという意味です。

日本では昔から、家長は男性と決まっていました。 男女平等・家事分担が当たり前の現代にはそぐわないかもしれませんが、 家の中では女性は主婦として一定の役割を担っており、 お勝手を預かる存在として、一家の食事と健康を管理する責任 がありました。 さらに、女性は家計をやりくりし、家庭の消費全般の管理もしていました。

主婦には家庭を維持するためのたくさん役割があるから、若くてかわいいだけの妻では心もとない。 昔は16歳で嫁ぐなど結婚する年齢が早かったから、それだけ幼くもありました。 家庭のことで何をどうしたらいいのかわからない妻では、旦那が仕事に勤しんでいるといつの間にか家が傾いていたという事態に陥りかねません。 また姑にいびられて、かわいそうな事態になることがあります。

かといって、 あまりに年上の女性を選ぶと、かかあ天下になる恐れがあり 、旦那はゆっくりと落ち着くことができません。

方言修行 ( むだしゅぎょう ) 金草鞋 ( かねのわらじ ) 江之島鎌倉廻 ( えのしまかまくらめぐり )

オリジナルは江戸期に出版された『 方言修行 ( むだしゅぎょう ) 金草鞋 ( かねのわらじ ) 』ですが、底本には、明治期に改題改編して発行された『諸国道中 金 ( かね ) の 草鞋 ( わらじ ) (十九)』を使用しました。同じ版木で刷られているので、中身はいっしょです。 国会図書館の影印には乱丁(ページの入れ違い)がありますが、修正して掲載しています。 また、作中で登場する名所の現在の様子も写真で紹介しています。

<解説>

『 方言修行 ( むだしゅぎょう ) 金草鞋 ( かねのわらじ ) 』は、十返舎一九による諸国道中記で、文化十年(1813)から天保五年(1834)まで22年にわたって刊行された長寿シリーズです。 一九の道中記と言えば『東海道中膝栗毛』があまりにも有名ですが、『膝栗毛』で弥次さん喜多さんが目的のお伊勢参りを遂げても(大ヒット作の宿命で)なかなか旅をやめさせてもらえず、二人が木曽路あたりでだらだらしてるころに、趣向を変えた新シリーズとして刊行されたのが『 金草鞋 ( かねのわらじ ) 』です。これもヒットをとばし、結果的には『膝栗毛』を超えるロングシリーズとなって、一九が死去(天保二年/1831)するまで続きました。最後の数編は、一九の死後、遺稿として出版されています。

『 金草鞋 ( かねのわらじ ) 』は、奥州仙台藩、岩沼の狂歌師・ 鼻毛延高 ( はなげののびたか ) と狂歌修行中の坊主・ちくら坊が、狂歌を詠みながら諸国をめぐるお話です。最初に訪れるのは、お江戸。『膝栗毛』は、弥次・喜多が江戸を出発するところから始まるので江戸の名所は出てきません。なので、お江戸のにぎわいっぷりに肝をつぶす田舎狂歌師のドタバタは『膝栗毛』ファンにとっても楽しめたのではないでしょうか。さらに一九先生、狂歌を東北弁で詠むという荒技も見せます。 「江戸さあへ つん出来べいと よっぱるかおもい 今度がはじめての旅」 「国さあを やくとう出来て きせちない 旅もあだけて 気ばらしぞする」 この意味不明さは、江戸っ子も大ウケでしょう。なお、初編には東北弁の対訳表も載ってるので解読することも可能です。

江戸編のヒットに続き『 金草鞋 ( かねのわらじ ) 』は、東海道、京大坂、木曽、常陸、奥州、越後、四国と日本中をめぐります。ですが、さすがに東北弁での狂歌は詠むのが疲れるのか早々に通常版になり、さらに道中記というより観光ガイド的な意味合いがつよくなって、やがて鼻毛・ちくらコンビすら登場しなくなってしまいます。まあ、初期の設定がぐずぐずになってしまうのは、長寿シリーズの常なのでしょう。 とはいえ、日本中の名所を「観光ガイド+絵+狂歌+滑稽噺」という盛り盛りの4点セットで紹介していくという一九スタイルは最後まで保たれます。観光ガイド全盛の現代でさえ、案内と写真のほかに、その場所にちなんだ歌や小噺がついた旅行ガイドブックなんて見たこともありません(需要がないと言えばそれまでですが)。一九先生がヒットするわけです。

『 金草鞋 ( かねのわらじ ) 』の「江ノ島・鎌倉編」は、シリーズとしては最後期の天保四年(1833)に出版されました。一九の死の2年後の刊行になります。一九は詳細な草稿を残しているので、それも可能だったのでしょう(はたしてこの「鎌倉編」に一九がどれだけ関与したのか、一九は実際に鎌倉を訪れたのか、という疑問はここではスルーします)。 「鎌倉編」の観光ガイド部分で取り上げられている名所旧跡は、びっくりするぐらい詳細です。滑稽噺も(その場所とは関係のない話ばかりですが)下ネタ満載の脱力系一九テイストであふれています。'旅' というお題で語られるさまざまな小話からは、当時の庶民の旅の寸景が浮かびます。 江戸時代において、庶民が実際にどれだけ観光旅行ができたのかは別にして、観光ガイドブックを眺めながら旅気分を味わうのは今も昔も同じですね。

 
 
 

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