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女王 陛下 の お気に入り ネタバレ

  • Writer: Rolf Reeves
    Rolf Reeves
  • Sep 22, 2023
  • 9 min read

【女王陛下のお気に入り】映画の感想|想像と違いすぎ!なりふり構わない女たちの壮絶バトル

『女王陛下のお気に入り』感想。やったー!超イヤな話だー!主要キャラの性格が全員最悪やー!ドロドロ百合バトル映画やー!(大歓喜)女王に気に入られるための策略の数々が超醜く、その一方で王宮の内装や美術は豪華絢爛。『ロブスター』『聖なる鹿殺し』の監督らしい悪趣味さフルスロットル! pic.twitter.com/sM9skgAhIb

女王陛下のお気に入り 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

繊細どころか図太すぎる二人の女。 相手を排除するためなら手段を選ばないガチンコバトル。 品があるどころか、むしろ下品な表現や台詞。

それは、そこに愛があるか否かです。

サラとアビゲイルは二人とも、自分の個人的な目的を達成するために、女王の一番のお気に入りであらねばならなかったのです。

一見、女王の肉体的・精神的パートナーの座をめぐる感情的な争いのように見えて、そこに愛は一切ないのです。

女性の繊細な愛情がテーマだと思っていたのに、そんな要素はどこにも見つからず、描かれていたのは、人間の剥き出しの欲望と壮絶なバトル。

サラとアビゲイルの振り切れた'負のパワー'に圧倒され続け、ラストシーンまであっという間でした。

あまりに下品であからさま、なりふり構わない二人の女の争いは、本作をコメディと呼ぶ十分な根拠になっているし、もし2回目があるなら最初から笑う準備をして観ようと思っています。

女王陛下のお気に入り を観た人にオススメの作品

「ブーリン家の姉妹」 2008年公開 16世紀のイギリスで王の寵愛をめぐる女の争いを描く。争う相手が血のつながった姉妹という昼ドラも真っ青のドロドロ劇です。

【ドリーム】映画の感想|NASAで活躍した三人の黒人女性。感動の実話。

【くるみ割り人形と秘密の王国】映画の感想|超豪華!だけど物足りない

【博士と彼女のセオリー】映画の感想|ホーキング博士の知られざる夫婦関係を描く大人のラ.

U-NEXT

Hulu

海外/国内ドラマ、バラエティならお任せ。全て見放題でストレスZERO。ダウンロード機能などの機能面も充実していて月額933円とリーズナブルで、VODデビューには最適。同時視聴ができないなどの欠点もありますが.

Netflix

本場アメリカでNetflixに出会い、 「好きな時に、好きな場所で、好きなだけ、好きな作品を観れる」 という素晴らしいサービスに感動。

管理人の独り言 こんにちは。当ブログの管理人です。アメリカに住み始めたことをきっかけにNetflixを使い始めて、いつの間にかNetflixに限らず、動画配信サービス(VOD)にハマってしまいました。 今ではテレビを持たず、U-NEXT・Netflix・dTV・Hulu・Amazonプライム・Paravi・FOD・DAZN・dアニメストア・TSUTAYA TVの10つのVODに登録していて、合計で月額約10,000円です。自分でもバカだなあと思いますが、それぞれのVODにそれぞれの良さがありますし、これだけ登録していると本当に「好きな時に好きな場所で好きな作品」を観ることができます。 「好きな時に好きな場所で好きな作品」、魅力的なフレーズですね。個人の意思が尊重される現代にはぴったりのサービスだと思います。 1つでもVODに登録しておくと暇つぶしの幅が一気に広がります。まだVODに1つも登録していない方は、どれか1つ登録してみてはいかがでしょうか。ぜひ、あなたに合ったVOD探し、お手伝いさせてください。

女王陛下のお気に入り

オリンピックといえば今ではスポーツの世界的祭典として大衆に感動を届けていますが、オリンピックの起源となった古代ギリシアのオリュンピア大祭は、それはもう現代のオリンピックとは比べものにならない 珍妙さ でした。全裸で走ることもあれば、やたら重武装して競技するものもあり、はたまた相手の骨を折るのもOKな格闘技も行われ、あげくに審判を買収して腐敗にまみれたり…意味不明かつグダグダドロドロの様相だったようです。 ノリでやっていたんじゃないかなと思わなくもない…。 こうやって考えると、よく現代のオリンピックとして発展していきましたよね。

そんなオリンピックを生みだしたギリシャは他にもあらゆる文化の発祥の地。政治、科学、文学、歴史、娯楽…多くの存在がギリシャから始まりました。たぶんそれらも始まりはかなり ヘンテコな感じ だったのでしょうけど、それでも気にせず突っ走るのがギリシャスタイルなんですかね。

'ヨルゴス・ランティモス' …それがその正体の名前です。

ある人は彼を 「天才」 呼び、またある人は 「奇才」 と呼び、別の人は 「変態」 とも呼ぶ。なんだそれ…という感じですけど、実際、そんな監督なのでしょうがない。

とにかくこのギリシャ出身の監督の作る映画は奇妙キテレツなものばかり。自らの才能を知らしめた初期作 『籠の中の乙女』 では、珍妙なルールで外界から隔絶された家族を描き、次の 『ロブスター』 では、恋愛して結婚しなければ動物に変えられてしまうという恐怖の独身地獄を描き、題名からして変な 『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』 では、怪しい少年に狂わされていく家族の姿を不気味に描く…文章にすると'奇妙さ'があまり伝わっていないかもですが、映画を観ると100倍は変に思えるはず。

どれも非常にクセが強く、観た人は「え?え?」と脳内で困惑することになるのですが、ここが評価もされていて…。 私もすっかりこの「変態」に魅了されてしまったひとりです。

その証拠に最新作 『女王陛下のお気に入り』 は、世界各地の映画祭で数多くの賞に輝き、まさかの2018年の傑作メンバーに仲間入りしています。繰り返しますけど、 変な映画を作る監督の作品なんですよ 。

あとは本作は事前に語るべきことはありません。相変わらず監督のクセは暴れています。ただ、今作は 英国王室 が舞台ということで、これまでの監督過去作にはないゴージャスさ。でもゴージャスといっても綺麗でオシャレという意味ではなく、 この監督の魔術にかかれば、それさえも珍妙さを醸し出す素材にすぎず… 。純粋な王室の煌びやかさを鑑賞したいなら『ヴィクトリア女王 最期の秘密』とかを観てください。

'オリヴィア・コールマン'、'エマ・ストーン'、'レイチェル・ワイズ' といった名女優たちのアンサンブルにも注目です。この演技合戦が一番の目を奪われるポイントでしょう。取り扱い注意の怪作を覗き見たい方はぜひ。

『女王陛下のお気に入り』予告動画

『女王陛下のお気に入り』感想(ネタバレあり)

本当に実在した、あの人たち

散々'ヨルゴス・ランティモス'監督のクセをアピールしておいてなんですが、実は今作は'ヨルゴス・ランティモス'は監督だけで、脚本は別の人です。ライターのひとり 'デボラ・デイヴィス' という方は、イギリス史や王室に関する知識に長けた人らしいのですが、本作のプロットの元になったスクリプトは'デボラ・デイヴィス'が1998年に書いたものだとか。つまり、企画自体は相当昔から温められていて、'ヨルゴス・ランティモス'監督がそれを形にした感じですね。

で、鑑賞し終わってどう思ったか。 'ヨルゴス・ランティモス'監督節、全開じゃないか…。 やっぱりこの人、そんな簡単に消せるタイプの作家性じゃないです。

本作は、日本の公式では「英国版の大奥」と表現されたりしています。確かにそのとおりで 女性たちの権力闘争を主軸にした政治風刺劇 です。

最初のグレートブリテン王国君主としても名高い 「アン女王」 。作中でも語られるとおり、6回の死産、6回の流産を含めて生涯になんと17回も妊娠したものの、一人の子も成人しないという不遇で、孤独な女王でした。

そのアン女王と幼少の頃から友人関係だった 「サラ・チャーチル」 。戦争を勧めるホイッグ党(後の自由党及び自由民主党の前身)に支持された夫のジョン・チャーチルをモールバラ公として授爵され、自身も女王の側近として強い影響力を持っていました。

そのサラの叔母の長女で、サラの斡旋で寝室係女官として宮廷で仕事することになった 「アビゲイル」 。アビゲイルは、戦争終結派のトーリー党の指導者ロバート・ハーレーと内通し、アンの夫カンバーランド公ジョージの侍従サミュエル・メイシャムと結婚して自分も権力を手にしていきます。

最近は本作を始め、『スターリンの葬送狂騒曲』や『バイス』など政治風刺劇映画の勢いが良く、やはり 世界中の大衆が政治家たちに冷めた目線をおくっている空気感 を反映してのことなのでしょうかね。

ヨルゴス流は今回も冴えわたる

一方で本作は明らかに普通の政治風刺劇映画とは趣が違います。それは だいたい'ヨルゴス・ランティモス'監督の変態性のせいです (失礼なほど断言)。

でも作中のメインで描かれるアン女王を挟んだ「サラvsアビゲイル」の闘争は もはや政治なんてどうでもいい 領域。サラは幼馴染であるアン女王の寵愛欲しさ、アビゲイルはもう一度華やかな世界に返り咲きたいという欲望…どちらも政治とは本質的に無関係なのですから、政治が背景を歩いているウサギ並みにどうでもよくなるのは必然。

序盤、召使として雇われることになったアビゲイルが馬車で向かうシーン。いきなり男の自慰を見せられ、アビゲイルも観客も 「なにこれ」気分で不快感MAX になるので、最初はアビゲイルに共感しながら鑑賞できなくもないです。ただ、アビゲイルの本性が徐々に発揮されるにつれ、観客はドン引き間違いなしでどうしたって距離ができます。

個人的な'お気に入り'シーンは、アビゲイルの男への対応。とくに外でメイシャムに驚かされるシーンの痛快さ。これが純愛邦画だったら「待て待て~」みたいなイチャイチャ展開ですが、そうはならないのが'ヨルゴス'流。メイシャムが近づくたびにアビゲイルが 必ず打撃を的確に加える のに笑ってしまいました。

監督の十八番、「無味乾燥なセックス」もやっぱり今作にあって、メイシャムと結婚し、いよいよ欲しいものを手にしたアビゲイルが 初夜にやるアレ 。もう性行為というか、性処理ですけど、いいですよね。いや、羨ましいっていう意味じゃないですよ(不必要な言い訳)。あの突き放しが'ヨルゴス'流で好きだなと。'エマ・ストーン'、怖いです。

対するサラもなかなかに凄まじく、最初は何気ない一言など言葉で有利に進めるアビゲイルがどんどん過激になって最後には完全にアウトラインを超える毒盛に出て、色々な意味で 踏んだり蹴ったり(文字どおり傷だらけ) になるのですが、私はこういう不条理にボロボロになっても頑張る(綺麗な意味ではない)女性キャラが好きなんですよね。'レイチェル・ワイズ'、いい壊れっぷりでした。

あなたもウサギです

他にも一定のリズムで響く耳障りなBGMや射撃シーンなど、'ヨルゴス'流が随所にちりばめられていて、最低最悪最高なのですが、極めつけは ラストのウサギ演出 。

作中ではウサギがすごく人間的な感情をキャラクターから引き出す要素として使われるので観客もちょっと安心しきったところで、最後にアレですよ。勝者となったと悦になるアビゲイルが一羽のウサギを 踏みつけていく と、それを見たアン女王がアビゲイルを呼びつけ、脚を揉めと命令。アビゲイルの頭を押さえつけ、完全に服従の構図。まさに 「お前もウサギなんだよ、忘れるな」 と言わんばかりの権力者の力を見せつけたかたち。アン女王、アビゲイル、無数のウサギが、重なるようなエンディング画面も不気味で凶悪。

結局、勝ち負けなんてこの争いにはないんですよね。 「お気に入り」にすぎない のですから。

 
 
 

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