助動詞 り 活用
- Rolf Reeves
- Oct 30, 2023
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助動詞 り 活用
〘助動〙 (活用は「ら・り・り・る・れ・れ」。ラ変型活用。四段、およびサ変動詞の命令形に付く。→語誌) 動詞連用形に「あり」を伴う語法で、熟合の結果「あり」の語尾の「り」が切り離された形で取り扱われるようになったもの。完了の助動詞。

デジタル大辞泉 「り」の意味・読み・例文・類語
り[助動]
[助動] [ら|り|り|る|れ|れ]《四段・サ変動詞の連用形に「あり」の付いた語、例えば「行きあり」「しあり」の音変化形「行けり」「せり」の「り」から》四段動詞の已然形、サ変動詞の未然形に付く。ただし、上代では四段動詞には命令形に付く。 1 動作・作用の継続している意を表す。…ている。…てある。 「 舟 ふな 子、かぢとりは、舟唄うたひて何とも思へらず」〈土佐〉 2 動作・作用が完了して、その結果が存続している意を表す。…ている。…てある。 「雪のうちに春は来にけりうぐひすのこほれる涙今やとくらむ」〈古今・春上〉 3 動作・作用が完了したことを表す。…た。…てしまった。→たり →つ →ぬ 「いとをかしげに、ひきつくろひて渡り給へり」〈源・少女〉 <補説>上代から用いられたが、しだいに衰えて「たり」に代わるようになった。「り」の接続については、平安時代を中心に、四段動詞の已然形とサ変動詞の未然形に付くと説かれる。それに対して、奈良時代では活用語尾に甲・乙2類のかなの区別のある四段動詞の場合、已然形は乙類のかな、命令形は甲類のかなであって、「り」は甲類のかなに接続していたので命令形に付くとされる。しかし、これは、「り」の前にある甲類のかなは「書きあり(kaki+ari→kakeri)」「しあり(si+ari→seri)」などのようにもともと連用形活用語尾のイ段の音と「あり」の「あ」との音変化によって生じたのであって上接動詞の活用形は便宜的に扱っているにすぎない。また、平安時代以降は甲類・乙類の区別がなくなり、四段動詞も已然・命令の両形が同一の形となったため、助詞などを下接しうる已然形に接続するものと説かれたのである。なお、上代には上一段やカ変の動詞に接続した例もある。
り[五十音]
助動詞 り 活用
助動詞とは、動詞の末尾にくっつける語です。
動詞の末尾に助動詞がくっつくと、動作の状況や状態が変化したり、表現者(話し手や書き手)の気持ちや考えが付け加わります。
助動詞は28個あります。「る・らる・す・さす・しむ・ず・き・けり・つ・ぬ・たり・り・む・むず・けむ・らむ・まし・めり・らし・べし・なり・じ・まじ・まほし・たし・なり・たり・ごとし」です。数が非常に多いです。
助動詞は活用があるため、 助動詞の後に続く他の語との接続に応じて、語形変化を生じます。したがって、文章を読んで理解するためには、助動詞それぞれの活用の仕方を覚える必要があります。
さて、今回は、一般に『完了・存続』の助動詞と分類分けされている助動詞「り」について詳しく説明していきたいと思います。
助動詞「り」は動詞「あり」から生じた
助動詞「り」は、もともと四段活用とサ行変格活用の動詞の連用形に動詞「あり」が結びついて、音韻変化を起こし、「あり」の部分が「り」となり、そのまま助動詞として独立していったと考えられています。
例えば、四段活用の動詞「思ふ」を例に挙げると、「思ふ」の連用形「思ひ」に動詞「あり」が結びつき、「思ひあり」となり、これが音韻変化を起こし、活用語尾の「ひ」が動詞「あり」の「あ」の音の影響を受けてエ段の「へ」に変化し、「り」がそのまま残った結果、「思へり」となりました。
また、サ行変格活用の動詞「欲す」を例に挙げると、「欲す」の連用形「欲し」に動詞「あり」が結びつき、「欲しあり」となり、これが音韻変化を起こし、活用語尾の「し」が動詞「あり」の「あ」の音の影響を受けてエ段の「せ」に変化し、「り」がそのまま残った結果、「欲せり」となりました。
助動詞「り」に関する重要事項
助動詞「り」は四段活用とサ行変格活用の動詞に「あり」が付いた場合の音韻変化が元となって生じたという背景から、助動詞「り」の前に来れる動詞は四段活用とサ行変格活用の動詞に限られています。
音韻変化の影響により、助動詞「り」の前に来る動詞の活用語尾は必ずエ段の音になっている。
助動詞「り」は動詞「あり」が元となっていているので、「~である」という基本の意味を持ち、つまり、ある状態が続いていることを示す働きがあり、そのことから『存続』という分類に分けられている。『存続』の意の場合、訳は「~ている」となる。
助動詞「り」の活用 動詞とのつながり
『完了・存続』の助動詞「り」 の活用は、ラ行変格活用になります。
「ら・り・り・る・れ・れ」と活用するため、捉えにくいですが、助動詞は基本的に動詞の後に続くと意識すること、それぞれの活用の形と他の助動詞や助詞との繋がりを意識することによって捉えやすくなります。
助動詞「つ」の活用の形と他の助動詞や助詞との繋がり
エ段の音で終わる動詞の後に「らむ」「らば」と続いた場合の「ら」は、『完了・存続』の助動詞「り」の未然形である可能性が考えられます。
エ段の音で終わる動詞の後に「りき」「りけり」と続いた場合の「り」は、『完了・存続』の助動詞「り」の連用形である可能性が考えられます。
エ段の音で終わる動詞の後に「れば」「れど」「れども」と続いた場合の「れ」は、『完了・存続』の助動詞「れ」の已然形である可能性が考えられます。
助動詞「り」の接続
助動詞「り」は四段動詞の已然形、サ変動詞の未然形に接続します。つまり、助動詞「り」が動詞の後に続けて用いられる場合、その前に置かれる動詞は四段動詞の已然形、またはサ変動詞の未然形になります。
続けて『存続』を表わす場合と『完了』を表わす場合を分けて解説していきます。
『存続』の助動詞「り」の意味・使い方 用法 訳し方
先ほど説明した通り、助動詞「り」の語源は、動詞の「あり」です。
動詞「あり」の基本の意味は「ある、いる」です。人や物などが存在していることを表します。
動作が継続している状態を、助動詞「り」によって言い表すため、助動詞「り」は『存続』の助動詞と言われています。
つまり、動詞に『存続』の助動詞「り」が付いた場合の現代語訳を考えると、動作の継続を表わす「~ている」という訳が当てはまることになります。
『存続』の助動詞「り」と『過去』の助動詞「き」「けり」の組み合わせ
『存続』の助動詞「り」と『過去』の助動詞「き」「けり」を並べることで、存続と過去を組み合わせることができます。
『存続』の助動詞「り」の連用形と『過去』の助動詞「き」「けり」を組み合わせて「りき」「りけり」として使われることがしばしばあります。
この場合の現代語訳は、「り」のあらわす『存続』の意味「~ている」に過去の意が加わり「~ていた」となります。
⑴ 歌の上手、管弦(くわんげん)の道にもすぐれ給へりき 〔大鏡〕
(現代語訳:和歌の名人で、音楽の道にも優れなさっていた。)
⑵ その女、世人(よひと)にはまされりけり 〔伊勢物語〕
(現代語訳:その女は、世間並みの人以上に(容貌が)すぐれていた。)
『存続』の助動詞「り」と『推量』の助動詞「む」の組み合わせ
『存続』の助動詞「り」と『推量』の助動詞「む」を並べることで、存続と推量を組み合わせることができます。
『存続』の助動詞「り」の未然形と『推量』の助動詞「む」を組み合わせて「らむ」として使われることがしばしばあります。
この場合の現代語訳は、「り」のあらわす『存続』の意味「~ている」に推量の意が加わり「~ているだろう」となります。
⑴ かうてありと聞き給へらむを、まうでこそすべかりけれ 〔蜻蛉日記〕
(現代語訳:こうしているとお聞きになっているだろうから、参上してあいさつすべきだった。。)
『存続』の助動詞「り」の解説 まとめ
・語源は「あり」でその基本的意味は「ある、いる」である。
・現代語訳は「~ている」となる。
・ 『過去』の助動詞「き」「けり」と組み合わせて「りき」「りけり」と使う。この際の訳は「~ていた」とできる。
・ 『推量』の助動詞「む」と組み合わせて「らむ」と使う。この際の訳は「~ているだろう」とできる。
『完了』の助動詞「り」の意味・使い方 用法 現代語訳
助動詞「り」は動詞「あり」を語源とし、動作が継続して行われていることを示すので『存続』という機能を持つことを説明しました。
現代語で例えば、「綺麗に咲いている花」と言った場合、「咲く」という動作が継続している為、『存続』になります。
これを「綺麗に咲いた花」と言った場合は、「咲く」という動作が過去のある時点で完了し、その状態がまだ続いています。この表現の方法が助動詞「り」の『完了』の用法になります。
⑴ 五十の春を迎へて、家を出で世を背けり。 〔方丈記〕
(現代語訳:五十歳の春を迎えて、家を出て出家した。)
⑵ 講師(かうじ)、馬のはなむけしにいでませり。 〔土佐日記〕
(現代語訳:国分寺の僧官が、餞別をしにおいでになられた。)
『完了』の助動詞「り」の解説 まとめ
・ 『完了』の用法は、動作が終わった後にその終わった動作の結果が存続していることを表わし、現代語では「~た」と訳す。
『完了・存続』の助動詞「り」のまとめ
・語源は「あり」でその基本的意味は「ある、いる」である。
・ 助動詞「り」の前に来る動詞の活用語尾は必ずエ段の音 である。
・ 助動詞「り」の前に来る動詞は四段活用とサ行変格活用の動詞に限られる 。
・語源は「あり」でその基本的意味は「ある、いる」である。
・ 助動詞「り」の前に来る動詞の活用語尾は必ずエ段の音 である。
・ 助動詞「り」の前に来る動詞は四段活用とサ行変格活用の動詞に限られる 。
・「ら + む(推量) = らむ」 現代語訳:~ているだろう
・「り + き(過去) = りき」 現代語訳:~ていた
・「り + けり(過去) = りけり」 現代語訳:~ていた
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