出棺 クラクション
- Rolf Reeves
- Oct 30, 2023
- 15 min read
出棺とは?挨拶の例文・服装マナーやクラクションの意味まで解説
出棺とは、告別式の後に棺の蓋を閉め、棺が葬祭場から火葬場に向かうことをいいます。まさに文字通り「棺が出る」という意味ですね。 故人と対面する告別式を終えた後、故人が納められた棺は霊柩車などで火葬場などに向かいます。そのため出棺は「お見送り」と表現されることもあるのです。 ただこれは地域や方法によってさまざまで、亡くなった病院や自宅からそのまま火葬場に向かうことも。そのような場合、出棺した後に葬儀が執り行われることもあります。

出棺の前に棺へ入れる「別れ花」と故人ゆかりの品について
告別式の最後に出棺のアナウンスがあると、いよいよ故人のお顔を見ることができる最期の時。葬儀で飾られていた花などを崩して係の方が持ってくるので、お顔回りや体回りに置いてあげます。 この花は「別れ花」と言い、用意された花がなくなるまで近親者や友人などが飾っていきます。別れ花はたくさん入れる場合もありますが、一輪だけの場合もあり、会場やケースによって異なることを覚えておきましょう。また、故人が生前好きだった花など、入れてあげたい花を遺族が用意しておくことも可能です。
など燃えないものは禁止されています。 故人が大事にしていた物やメガネなどをどうしても一緒に入れてあげたいと思うかもしれませんが、規定により禁止されているものは骨壺に入れるようにしましょう。
出棺時に行う喪主による挨拶のマナーと例文
上で説明した花入れの儀などを終えたら、出棺です。出棺の際は喪主が位牌を持ち、遺族(喪主の妻が一般的)が遺影を持ちます。 男性の遺族などで棺を担ぎ、霊柩車に収めたらいよいよ最期の挨拶の時。このとき、基本的に喪主が参列者に挨拶します。ただし故人を亡くしたショックで精神的に不安定であったり、人前での挨拶が苦手な場合は代わりに遺族代表が行っても大丈夫です。
挨拶の際、遺族は参列者の方を向いて並びます。喪主、遺影を持った遺族の順に並ぶ形が一般的です。喪主が挨拶している間は、喪主代理が代わりに位牌を持ちます。 挨拶の内容は、以下のポイントを押さえるといいでしょう。
3分以内の挨拶
参列者への来ていただいたお礼
故人の亡くなった簡単な理由
故人がお世話になっていたお礼
変わらぬ遺族への支援
これらを踏まえて、必要な言葉を考え自分の言葉で挨拶をします。挨拶が全て終わったら遺族は深く参列者に一礼をします。 この挨拶が終わったら火葬場へ向かうことになるので、手短に済ませることが重要となります。以下に例文を挙げておきますので、参考にしてみてください。
皆様、本日はお忙しいなかを父〇〇の葬儀・告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございます。 父は昨日の夕刻、〇〇病院で眠るかのごとく息を引き取りました。〇〇歳という大往生で、安らかな最期でございました。 父が豊かな晩年を過ごすことができたのも、皆様のご厚情があってこそと心より感謝申し上げます。 残された私たち一同にも、生前と変わりないご厚誼を賜りますよう切にお願いいたしまして、お礼のご挨拶に代えさせていただきます。
出棺する際の服装マナーは喪服が基本
基本的には葬儀と同じ服装なので、参列者は親族をはじめ喪服を着るのがマナー。最近は葬祭場でお葬式を行うケースが増えているので、会場の出口から霊柩車に乗せて出棺するケースが通例です。
ですが、なかには自宅や寺院から出棺することもあります。この場合も、もちろん喪服であることには変わりないのですが、会場の出口が外だった場合は寒さや暑さも感じやすいでしょう。 とくに冬場はコートがないと出棺を待つ時間も長く感じ、その後体調を崩してしまうこともありますよね。そのため出棺の待機中はコートを羽織ってもOKとされています。ただ出棺のアナウンスがかかった場合は、すぐにコートを脱ぎ喪服で待っていましょう。
棺は男性6人ほどで運ぶ形が一般的
棺を運ぶのは、男性6人ほどが一般的です。係の方に促されるので指示を出されたら速やかに準備をしましょう。 地域や葬儀社によって違いもありますが、基本的に関東地方では棺の足の部分を前にし、棺の両側を男性3人ずつで持ちます。ただ関西地方では頭を前にすることが多いので、この違いは知っておきましょう。
出棺の儀にはなるべく立ち会うのがマナー
告別式を含めた葬儀が終わったら退出することも可能ではありますが、できるだけ出棺の場に立ち会いましょう。 やむを得ない事態があった場合でも、読経中の退出はマナー違反ですので終わるまではいるようにしてください。読経が終わったらやむ負えない場合のみ、係の方などにその旨を伝え退出をします。
出棺時に鳴るクラクションの意味には諸説あり
クラクションは「茶碗割り」の代用説
「あの世への道中にお腹を減らさないように」と、葬儀の際は茶碗にご飯を盛り付ける風習があります。出棺の際には「もう現世に魂が戻ってこないように」とその茶碗を割るのですが、この茶碗割りの儀式がクラクションに変化したのではないか、という説があります。
クラクションは「礼砲」の代用説
まだ遺体安置方法や火葬場などがきちんと整っていなかった時代には、船で亡くなった方は海へ流すという弔い方が慣例でした。 連れていきたいのはもちろんでしょうが、おそらく遺体を故郷まで運ぶことができず、やむを得ずこのような方法をとっていたのでしょう。 その際には最期の別れをするため汽笛を鳴らしたり、空砲を打ったといいます。このことを「礼砲」というのですが、クラクションはその代わりとも言われているのです。
クラクションは楽器や鐘の代用説
まだ寺院などでお葬式を行っていた際、出棺の時に鐘や楽器などでお別れをすることがありました。 最近は葬祭場での式が多いのであまり見かけませんが、クラクションはこの楽器などの代用であるとも言われています。
クラクションは「一番鶏」の代用説
その昔、出棺は朝一番で行うことが多かったとされています。そのため出棺時刻に鳴く一番鶏の鳴き声の代用として、クラクションが鳴るようになったという話もあります。 このように、出棺の際クラクションを鳴らす理由には諸説がありまだ解明されていません。自分にとってしっくりくる理由で故人を敬えばいいでしょう。 また、地域や状況によってはこのような違いもあります。
出棺の儀で故人に敬意を込めて最期のお別れを
知っているようで実は知らないクラクションを鳴らす理由には、知ってみると感動を覚えてしまうような説もたくさんありました。 出棺は故人との最期の別れの場でありますし、できるだけ静粛に、そして敬意の念を表して見送ってあげたいものです。 故人が死後も安らかな思いで旅立てるように、出棺前には生前の故人のエピソードをできるだけ話しながら思い出してあげてくださいね。
▼ 高麗人参サプリ 「 J's Kami 高麗 」 - こうらいマルシェ
終活.com 人生の最期まで素敵なひとときを送るための終活総合情報サイト
納棺とは、遺体を棺の中に納める事ですが、納棺式または納棺の儀、納棺の儀式とも呼ばれています。 単に遺体を棺に納めるのではなく、湯灌や清拭によって故人の遺体を清めたり、死化粧を施して死装束を着せて故人があの世へと旅立つための身支度をします。 納棺は遺族が故人の死と向き合うための大.
出棺はいつ行われる?
▼出棺式はいつ行うのか? 葬儀形式の多様化や、地域または宗教による違いはあると思いますが、 「葬儀が終わった後(告別式が終わった後)」 という認識で覚えておけばよいと思います。
出棺式の流れとマナー 1. 別れの儀(お別れの儀) 2. 釘打ちの儀(くぎうちのぎ) 3. 霊柩車に棺を納める
別れの儀とは、簡単に言うと棺に花(別れ花)を入れる事 です。 地域性や宗教性もありますが、お通夜や告別式といった儀式を行う一般的な葬儀において、告別式が終わると祭壇前に安置された棺を式場中央に置き、棺の蓋が開けられます。 供花の花を切り取ったりして、たくさんの花を棺の中に入れます。 別れの儀は近親者、一般参列者故人が故人と対面できる最期の時間 となります。 一般参列者の方も遠慮せず親族に続いて花を入れてあげましょう。 ※花を入れる順番は、故人と縁の深い順に入れていくようにします 例)喪主 ⇒ 喪主の配偶者 ⇒ 直系親族、兄弟、子
釘打ちの儀(くぎうちのぎ)とは、出棺の最後に石または葬儀社が用意した金槌で、遺族が棺の蓋に釘を打つ事 を言います。 現在では釘打ちの儀は省略される事も多く、全国的に見ると釘打ちの習慣が無くなりつつあるようです。 ※地域によっては実際に釘を打たず、釘打ちの真似をする擬似的な形もあります ※宗教によっては釘が火葬後に燃え残ってしまうという理由から、釘を打たない場合もあります
地域差は多少ありますが、 基本的には男性6名で棺を霊柩車へと運びます (遺族、近親者のほか、友人知人の中から、男性6人が目安)。 近年、家族葬など少人数での葬儀が多くなっていますが、人手が足りない場合は葬儀社のスタッフも手伝って下さいます。
※棺を運ぶ際、 遺体の足を先頭に向けて霊柩車に運び納める ようにします 足のほうを先頭に納めるのは、「故人が家に帰ってこないように」という意味があるため と言われています。
喪主の挨拶については、このあとの「出棺時の喪主挨拶」にて解説しています。 ▼お見送りのマナー ・喪主または遺族代表の方の挨拶が終わり、霊柩車が火葬場へと動き出した際、参列者の方々は 故人の冥福を祈りながら合掌して深く一礼 します ・ 参列者の服装に関して、冬場の寒い時期でも出棺のお見送り時には 防寒着(コートなど)の着用はしない のがマナーです ※寒くてもお見送りの間は防寒着は着ないようにし、雨や雪の場合の傘も華美な色合いのものは避けるようにしましょう
お通夜、告別式から参列するのであれば、参列者側の服装は基本的に喪服になりますが、 お見送りだけの場合は特に喪服である必要はありません。 ですが、黒やグレーなど控えめな色のものを着るようにするのがマナーだと言えます。
出棺時の喪主挨拶
霊柩車に棺を納めたら、お見送りに並んで頂けた参列者の方々に、喪主からお礼の言葉を述べます。 ※挨拶する人は喪主以外で遺族代表の方が挨拶する場合もありますが、基本的には喪主が行うものと認識していればよいと思います 皆様、本日はお忙しいところ、〇〇(故人)の葬儀にご会葬くださいまして、誠に有難うございます。 皆様にお見送りいただき、さぞかし故人も喜んでいることと存じます。 遺された私どもは未熟者ではございますが、今後とも故人同様、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願いいたしまして、ご挨拶に代えさせていただきます。 本日は有難うございました。
▼遺族代表(喪主以外)の挨拶例 親族を代表いたしまして、皆様に一言ご挨拶を申し上げます。 本日はお忙しいところ、〇〇(故人)の葬儀にご会葬くださいまして、誠に有難うございます。 皆様にお見送りいただき、さぞかし故人も喜んでいることと存じます。 残された私どもにも、今後とも変わりなくご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。 本日は有難うございました。
一般的な例文として紹介しましたが、故人との生前のエピソードなどを交ぜる事も、より気持ちが伝わると思われます。 ご子息が喪主の場合、挨拶の中で「長男の〇〇です」とひとこと添えるのもよく見られる例です。
基本的には 「参列していただいた事へのお礼と感謝の気持ち」「これまでの感謝と今後の決意」で挨拶の内容が構成されていれば特に悩む事はない と思います。 しかし、中には悲しみや慣れない緊張感から挨拶の内容が飛んでしまう事がある可能性もあります。 そんな時はメモやカンペなど持っていても大丈夫だとされていますので、焦らず行うようにすれば問題ないと思います。
霊柩車が鳴らすクラクションの意味
▼茶碗を割る儀式の代わり説 地域によって出棺の際、葬儀の祭壇などにお供えしてある茶碗を割るという儀式があり、茶碗を割る音に模したという説。 ▼雅楽器の代わり説 皇室の葬儀の際、出棺時に鳴らされる雅楽器の代わりとして、音が少し似ているクラクションを鳴らすようになったという説。 ▼汽笛の代わり説 船が出港(出発)する際に鳴らす汽笛の音を模して、クラクションを鳴らすようになったという説(お別れは出発とも捉えられるため)。
≪近年のクラクション事情≫ 最近では以前ほどクラクションを鳴らさないケースが多くなってきています。 「音がうるさい」という騒音問題や、近隣の方への配慮から鳴らさないようにしているほか、クラクションを鳴らす事を禁止している葬儀会館もあります。 ※クラクションを鳴らさない場合でも、葬儀社側で参列者へは何かしらの合図があるので、指示に従うようにしましょう
霊柩車(れいきゅうしゃ)…火葬場に向かう車 寝台車(しんだいしゃ)…故人を病院からご自宅もしくはお通夜、告別式や葬儀の間、ご安置する場所への輸送する為の車
まとめ
▼出棺(しゅっかん)とは? ・出棺とは、遺体が納棺された棺を家から送り出す事で、具体的には遺体の入った棺を霊柩車にのせて、火葬場へと出発するまでの事 ・出棺は、出棺の儀式、出棺の儀、出棺式とも言われる
▼出棺式はいつ行う? 葬儀形式の多様化や、地域または宗教による違いはあるものの、 「葬儀が終わった後(告別式が終わった後)」と いう認識で覚えておけばよい
▼出棺式の一般的な流れ ・別れの儀(お別れの儀)
▼参列者のお見送りマナー ・霊柩車が火葬場へと動き出した際、故人の冥福を祈りながら合掌して深く一礼する ・お通夜、告別式と参列している場合、基本的に喪服だが、お見送りだけの場合は特に喪服である必要はない ・お見送り時にはコートは着用しない
▼出棺時の喪主(または遺族代表)挨拶 ・挨拶の内容に、参列していただいた事へのお礼と感謝の気持ち、これまでの感謝と今後の決意、これらが入っている構成であれば特に難しく考える必要はない
▼霊柩車がクラクションを鳴らす理由 ・茶碗を割る儀式の代わり ・雅楽器の代わり ・汽笛の代わり ・参列者へのお別れの合図 など諸説あり 現在は近隣への騒音配慮から、クラクションを鳴らさないケースも多く、鳴らす事を禁止している葬儀会館などもある
ひと口に葬儀といっても家族葬や直葬など様々な種類があり、葬儀費用も異なります。 また、葬儀に参列する際のお供え物や供花についても知っておくべきことは多いです。 この記事は喪主側・参列者側、どちらにとっても役立つ情報としてわかりやすく解説&紹介しています。 ▼こ.
出棺の挨拶のポイントは?出棺の挨拶のポイントから出棺のマナーまで徹底解説!
略歴 栗本喬一(くりもと きょういち) 1977年生まれ 出生地:東京都(愛知県名古屋市育ち) 株式会社東京セレモニー 取締役 ディパーチャーズ・ジャパン株式会社 「おくりびとのお葬式」副社長として、葬儀会社の立ち上げ。「おくりびとアカデミー」葬儀専門学校 葬祭・宗教学 講師。 株式会社おぼうさんどっとこむ 常務取締役として、僧侶派遣会社を運営。 株式会社ティア 葬祭ディレクター、支配人、関東進出責任者として一部上場葬儀 社の葬儀会館出店、採用、運営を経験。 著書:初めての喪主マニュアル(Amazonランキング2位獲得)
INDEX
出棺(出棺の儀)とは?
また、何かと不明点や不安が多い葬儀や告別式の疑問やご相談は 『やさしいお葬式』 から24時間365日無料で承っています。お気軽にご連絡下さい。
出棺から火葬までの流れ
納棺
末期の水
納棺をする前に、末期の水と行われる儀式を行います。末期の水は「死に水を取る」と言われることもありますが、遺体の唇を脱脂綿などで湿らせます。 末期の水が済んだら湯灌(ゆかん)または清拭(せいしき)行います。そしてエンゼルケアや死化粧を行い、死装束を着せます。これらの儀式は納棺師などの専門業者のサポートとともに遺族が行います。 納棺ついては「 納棺とは?意味・流れ・入れるもの・マナーを完全解説! 」「 納棺の儀式とは何?儀式の流れで知っておきたいことについて 」の記事もご参考ください。
副葬品を納める
出棺
別れ花
棺の蓋を開けて遺族や親族が最後の対面を果たします。このとき、祭壇の周りに飾られていたお花をひとりひとり棺に納めていきます。 このお花を「別れ花」と言います。別れ花には菊や百合、カーネーションが使用されることが多いです。 お花を入れ終わったら、釘打ちの儀を行います。
釘打ちの儀
火葬
火葬には火葬許可証が必要
運転手やスタッフへのお心付け
近年、心付けが廃止となっている火葬場や葬儀社が多くなりました。本来心付けは強制されるものではございません。
お骨上げ
出棺時の喪主の挨拶の例文
出棺の挨拶について抑えておくべきポイント
忌み言葉を避ける
原稿を用意する
簡潔にまとめる
出棺時の慣習
BGMを流す
クラシック
邦楽
洋楽
また、洋楽を流すことももちろん可能で、邦楽同様にバラード調の曲が好まれます。代表曲としては、フランク・シナトラの「My Way」やQUEENの「The Show Must Go On」が挙げられます。
クラクションを鳴らす
茶碗などを割る
出棺時のマナーや遺族の持ち物
出棺時のマナー
遺族の持ち物
出棺の挨拶についてのまとめ
【出棺(出棺の儀)とは?】 ● 葬儀場から火葬場まで遺体を霊柩車で運ぶ際に行う儀式である
【葬儀から火葬までの流れ】 ● 納棺→出棺→火葬→お骨上げの順で行われる
【出棺の挨拶で押さえておくべきポイント】 ●短すぎず長すぎないよう簡潔にまとめる ● 原稿を作成し忌み言葉を使用していないかチェックしておく
【出棺時の慣習】 ●地域や葬儀場によって異なる ● 良く行われるのが、BGMを流したりクラクションを鳴らしたり、故人の愛用していたお茶碗割りである
【出棺時のマナー】 ● 霊柩車が出発したら一礼をし見えない距離に行くまで合掌する ●コートなどのアウターは脱いで正装の状態でお見送りする
【遺族側の注意】 ●遺族は出棺が終わると火葬場にそのまま向かうため、火葬場で必要なものも持参する必要がある ●火葬許可証が無いと火葬が行えないため特に注意する
Comments