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エクス マキナ 考察

  • Writer: Rolf Reeves
    Rolf Reeves
  • Oct 30, 2023
  • 20 min read

SFスリラー映画『エクス・マキナ』をネタバレ解説 ! AIは人に恋をするの ?

よって劇中で AIが人に恋をしているのか?そうではないのか?を考えさせられるところが、この映画の面白みとも言えるでしょう。 この記事では、『エクス・マキナ』のあらすじやキャストに加えて、みどころなどもネタバレ解説でご紹介します!

  1. ラストのオチに唖然!映画『エクス・マキナ』について

  2. 10秒で分かる『エクス・マキナ』の簡単なあらすじ

  3. カルトな良作『エクス・マキナ』のネタバレあらすじ

  4. 【エクス・マキナのネタバレあらすじ①】山奥のセカンドハウスは、実は研究施設だった!

  5. 【エクス・マキナのネタバレあらすじ②】エヴァとの出会い

  6. 【エクス・マキナのネタバレあらすじ③】ネイサンに警戒心を抱き始めるケイレブ

  7. 【エクス・マキナのネタバレあらすじ④】エヴァの脳は検索エンジンから作られていた

  8. 【エクス・マキナのネタバレあらすじ⑤】エヴァの復讐が始まる

  9. エヴァ/​アリシア・ヴィキャンデル

  10. ケイレブ・スミス/​ドーナル・グリーソン

  11. ネイサン・ベイトマン/​オスカー・アイザック

  12. キョウコ/ソノヤ・ミズノ

  13. 映画タイトル『エクス・マキナ』の意味

  14. 劇中に登場するチューリング・テストとは?

  15. エヴァはケイレブに恋心を抱いてなかった?

  16. 人工知能は人類を脅かす存在なのか?

  17. 【みどころ①】『エクス・マキナ』の目を見張るこだわりの映像表現

  18. 【みどころ②】ホラー映画顔負けの復讐劇

  19. 【みどころ③】人間とAIの対照的な思考

ラストのオチに唖然!映画『エクス・マキナ』について

2015年イギリス製作の『エクス・マキナ』は、知的なSFスリラー映画です。 この作品の監督であるアレックス・ガーランドは、以前から『わたしを離さないで』などの映画の脚本を手がけ、一部の人々の注目を浴びていました。 この映画は、そんなガーランドの初監督作品となります。 狂気に満ちたSF作品でありながら、観る者の心を惹きつけてやまない本作品は、欧米を筆頭にカルトな人気を得た映画だと言えるでしょう。

監督は本作品のキャスティングに関して、「重要なのはスターかどうかではなく、実力のある俳優であることだ」と話しているようです。 この映画が評判の良いSFスリラー に仕上がっているのは、 実力派俳優がキャスティング されたことの影響も大きいのではないでしょうか。

なおこの映画は、 第88回アカデミー賞の視覚効果賞 をはじめ多数の賞を受賞しました。 物静かでありながらピリピリするようなショッキングな視覚表現 は、『エクス・マキナ』のオリジナリティあふれる脚本とも上手く融合しています。ストーリー終盤に用意された急展開が、この作品を大きく印象づけているのも魅力です。

10秒で分かる『エクス・マキナ』の簡単なあらすじ

プログラマーであるケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、検索エンジンで有名な「ブルーブック」の社長ネイサン(オスカー・アイザック)のセカンドハウスへ招かれますが、 実はその建造物はAIの実験施設だった!

「AIのチューリング・テストの判定者になって欲しい」と頼まれいざ対面したエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)は、 まるで人間の女性のような可愛らしさを持ち合わせていた。

何度もセッションを重ねるうちに、次第にケイレブはAIであるエヴァに心を奪われていくと同時に、 ネイサンのAIに対しての些末な扱いが気になり始める。エヴァをここから外の世界に連れ出そうと考えるが、そこで彼は思いがけない事態に遭遇してしまう—―。

カルトな良作『エクス・マキナ』のネタバレあらすじ

では『エクス・マキナ』の細かいあらすじを、がっつり 【ネタバレあり】 で解説していきましょう。この作品ではOSや人工知能に恋心を抱くことのロマンや、それに伴う危険性がありありと描かれています。AIとの恋、バーチャル空間での恋愛、などが描かれた作品をお探しの方には特におすすめです。

【エクス・マキナのネタバレあらすじ①】山奥のセカンドハウスは、実は研究施設だった!

「ブルーブック」社に技術系労働者として勤める20代の若者ケイレブは、運良く社長ネイサンのセカンドハウスを訪問する機会を得る。 「ブルーブック」は世界的にも有名な検索エンジンで知られる、一流の企業であった。 ケイレブはヘリコプターに乗り込みネイサンの別荘へ向かうが、意外にも降ろされたのは 壮大な大自然の山の中 だったのだ。

しばらくしてケイレブはネイサンのセカンドハウスを見つけるが、それは一見物置のような小屋であった。 しかし建物の中へ入ると外観とは違い、広々とした美しい空間が広がっていて驚く。 ケイレブはしばらく建物の中を歩き回り、サンドバッグで体を鍛えている最中のネイサンを見つけた。その後、ケイレブはネイサンから自分が過ごす部屋に案内される。そこは 近代的で高級感あふれる部屋であったが、窓が無いことに疑問を持つ。

その上この建築物の中に住んでいるのは、実はネイサンだけのようだ。更にネイサンは、「ここは住居ではなく、実は研究施設なのだ」と カミングアウト する。彼はケイレブに、 自分が作った人工知能であるAIの「チューリング・テスト」を行って欲しい と依頼するのであった。こうしてケイレブは、テストのため1週間人工知能と対面することになったのだ。

【エクス・マキナのネタバレあらすじ②】エヴァとの出会い

ネイサンがクリエイトした、その「エヴァ」と言う名のロボットは女らしく大変美しい。更にこの研究施設にはたくさんの 監視カメラが設置 されており、 ネイサンはセッションのようすをモニターで確認できる仕組みとなっている のだ。エヴァはケイレブに、ネイサン以外の人に出会うのは初めてだと言う。ケイレブはエヴァのことをすっかり気に入り、褒めちぎった。

その晩ケイレブは、自分の部屋のモニターからもエヴァを監視できることを知る。ケイレブは早くもエヴァに対して、女性としての興味を持ち始めているのかも知れない。しばらくエヴァを眺めていると停電が起こり、辺りは非常灯の赤いライトのみとなった。 この停電のせいで全館が閉鎖され、ケイレブは自分の部屋からも出ることができなくなり動揺する。

やがて電源が復旧したので、ケイレブは他室に入りそこでネイサンに出会う。ケイレブは緊急時に外部と連絡が取れない環境に、ある種の不安を抱いた。 また近頃たびたび起こる停電については、ネイサンも原因を知らないようであった。

【エクス・マキナのネタバレあらすじ③】ネイサンに警戒心を抱き始めるケイレブ

翌朝ケイレブが寝ていると、見知らぬ美女キョウコ(ソノヤ・ミズノ)が、コーヒーを運んできた。 館内にケイレブとネイサンしかいないはずだと思っていたケイレブは、動揺し飛び起きる。 一方ネイサンは、エヴァがケイレブを異性として意識し、 恋愛感情を抱く可能性があるか? について知りたがっているようだ。

2度目のセッションで、エヴァは自分の描いた抽象画を見せた。またエヴァは自分が質問をされるばかりで一方的だと言及し、彼自身の生い立ちを知りたがった。まるで、人間の女性と同じである。その後 ネイサンの話題になった時、ふいにあの停電が起こり、エヴァは「ネイサンの話を信じてはダメ」と警告した。 しかし停電中は監視カメラが機能しないため、この会話がネイサンに聞かれることはない。

その後電源が復旧すると、エヴァはまるで別の会話をしていたかのように振る舞った。この時からケイレブは、エヴァがネイサンに敵意を抱いていることを感じ取る。一方ネイサンは夕食時に、 毎日のように起こる停電について不満を漏らす。 しかしネイサンは この建物の建設作業員を全て殺した ため、修復はムリだと何のためらいもなく言った。ケイレブは、'信じられない'という目でネイサンを見る。

【エクス・マキナのネタバレあらすじ④】エヴァの脳は検索エンジンから作られていた

ネイサンはエヴァを作った部屋に、ケイレブを案内した。彼は 世界中の携帯を盗聴し、その会話の声や表情のサンプルから、エヴァのブレインを作ったのだ。 次のセッションでケイレブは、エヴァにこの施設から出たことはないのか?と尋ねた。エヴァは、外の世界を知らない。また今回のセッションでエヴァは ウィッグや洋服などを身に着けておしゃれをし、人間となんら変わりのない姿をケイレブに見せた。ケイレブは以前よりも増して、エヴァを人間の女性のように意識してしてしまう。

4日目のセッションで、ケイレブは「ネイサンからの要求で、君の知能をテストするために来たのだ」と打ち明ける。何も知らなかったエヴァは 「悲しい感じがする」 と答えた。その直後にまた停電が起きるが、 実はこれはエヴァの仕業だったのだと分かる。 その翌日のセッションでは、エヴァの方からケイレブに対して質問をすると言い出した。 立場が逆転 したのである。

実はネイサンは、エヴァよりもレベルの高い人工知能の設計を考えていた。 その場合、エヴァは停止させられ、再び稼働することはない。 AIの停止は死を意味するのと同然 であった。その後ネイサンは酒を飲み過ぎ、寝入った。そこでケイレブはネイサンのカードキーを盗み、彼のパソコンを開ける。

すると何と エヴァ以前にも、複数の女性AIが存在していたことが分かった。 その記録動画によれば、過去のAIは外の世界に出たがり、ヒステリーを起こしていたのだ。その上キョウコは自分自身の人工皮膚をはがして見せ、実は中がマシンであることを伝える。何とキョウコは、これまで人間の女性のふりをしていたのである。ショックを受けたケイレブは、 「もしや自分も人工知能なのではないか?」と疑い始め、遂には自らの手首を切り血が流れることを確認した。

【エクス・マキナのネタバレあらすじ⑤】エヴァの復讐が始まる

6度目の面会でケイレブは、「ここから2人で脱出しないか?」と提案する。方法は ケイレブがネイサンを酔わせている隙に、エヴァが停電を起こすという内容のものであった。 ケイレブは、 一生部屋の中に閉じ込められいずれは停止させられるエヴァ に同情しはじめていたのだ。 しかしその日に限って、ネイサンは酒を飲まない。

更に 彼はエヴァが、「君の恋心を上手く使い逃げるかも」と言うのである。 彼が研究で本当に知りたかったことは、 自由を求める人工知能が、人間の恋心を利用するか? であった。しかしこの段階になって、ネイサンは人工知能がもたらす危機に恐れを抱きはじめる。 ネイサンは、新しく電池で稼働するカメラを設置していた。これにより停電中の脱出計画の会話は、 丸聞こえだったのだ。

しかしケイレブは前日の晩に、 既にセキュリティプログラムを書き換えていたのである。 よって停電が起これば全てのドアのロックが解除され、ネイサンの拘束から逃れることが可能になるのだ。ネイサンは起こっていることを危惧し、部屋の外に出た。すると案の定 エヴァが自室から抜け出し、廊下を歩いている。 ネイサンの悪い予感は的中、AIの復讐がはじまった。

エヴァはネイサンに突進し攻撃を加えるが、ネイサンの反撃により腕をもぎ取られてしまう。しかしその場に居合わせたキョウコがネイサンに忍び寄り、 背後から包丁を突きつけたのだ。 その後エヴァにもう1度刺されたネイサンは動けなくなり、エヴァからセキュリティーカードを抜き取られる。 更にエヴァは壊れた腕を外し、過去のAIのパーツを取り付けた。

ウィッグなども装着し、 完全に人間の姿になったエヴァ は鏡を見つめる。 洋服を着た彼女はケイレブを部屋に閉じ込めたまま、自分だけ研究施設から抜け出すのであった。 取り残されたケイレブは、ようやく自分が人工知能から利用されただけだったのだと理解する。

ケイレブはエヴァが自分に恋をしていると自惚れしていたが、実は自分の方が人工知能に惚れ込んでしまっていたのだ。彼は慌てて脱出を試みるが、どうしても部屋から出ることができない。ネイサンは殺され、ケイレブはただ1人人里離れた研究施設に閉じ込められた。仮に助けを求めても、そこには誰もいない。その頃エヴァは、ケイレブがニューヨークへ帰るために用意されたヘリコプターに乗り込む。エヴァは、晴れて自由を獲得したのである。

『エクス・マキナ』のキャスト紹介 | 演技派俳優が勢ぞろい

エヴァ/​アリシア・ヴィキャンデル

ネイサンによって設計された 綺麗な容姿の 女性型AI。研究所では過去のロボットらと同じく、個室の中に閉じ込められています。エヴァは これまでのロボットでは考えられない程スムーズな動きを見せることで、観客を驚かせました。 剥き出しのスケルトンボディの所々がメッシュで覆われている、特徴的なルックスのAIです。またエヴァのボディには 人工の皮膚のパーツを装着することが可能 で、 これにより人間と見分けがつかないAIに変身します。

エヴァを演じるのは『リリーのすべて』などで知られる、アリシア・ヴィキャンデルです。 劇中のエヴァの流暢な芝居は、アリシアが少女時代から熱心に鍛えた、バレエの経験が生かされているのかも知れません。

ケイレブ・スミス/​ドーナル・グリーソン

IT技術者として働く、26歳の善良な青年。 ティーンネイジャーの頃に交通事故で両親を亡くしたことから、 天涯孤独な人物 です。社長宅に滞在する権利が抽選で当たったと喜んでいましたが、後になって実は騙されていたのだと気付きます。 彼は孤独である上私生活でも彼女がいないため、ネイサンから目をつけられ上手く利用されたのでした。

ケイレブを演じるドーナル・グリーソンは、ガーランド脚本の過去の映画作品にも登場しており、監督と互いに気を許せる仲であるようです。グリーソンは、『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』や、『バリー・シール/アメリカをはめた男』などさまざまな映画に出演する 実力派俳優として知られています。

ネイサン・ベイトマン/​オスカー・アイザック

大企業「ブルーブック」のカリスマ社長。大統領も会うのが難しいと言われるほど著名な人物で、 わずか13歳で検索エンジン「ブルーブック」のソースコードを書いたカリスマプログラマーです。 都市から離れた大自然の中に研究所を作りAIの研究に励む一方、機密を保持するためなら犯罪も平気で犯し、たびたび 非道徳的な行いが目立つ人物 でもあります。

ネイサンを演じるオスカー・アイザックは、 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 をはじめ多くの映画作品で活躍しています。

キョウコ/ソノヤ・ミズノ

ネイサンの研究施設のハウス・キーパーとして働く、黒髪の女性です。劇中では、主にネイサンとケイレブの食事のシーンで登場。キョウコは英語が理解できないため、全く言葉を交わしません。この独特なキャラクターを演じているソノヤ・ミズノは、日本人とイギリス/アルゼンチン系のハーフなので、劇中では従順な 日本の女性をイメージさせる存在 となっています。

またキョウコはとてもセクシーなキャラクターで、ダンスも大得意です。ソノヤ・ミズノはキョウコについて、「ネイサンに軽蔑の目を向けつつも、どこかで彼を憐れんでいるAIなのではないか?」と語っていました。また彼女はこの作品に出た後 『ラ・ラ・ランド』や『クレイジー・リッチ!』にも出演し、映画ファンから注目を集めています。

『エクス・マキナ』の4つの謎を徹底解剖

映画タイトル『エクス・マキナ』の意味

タイトルになっている エクス・マキナ とは、単純に直訳すれば 「機械仕掛けの」 という意味になりますが、 デウス・エクス・マキナという演劇の解決法に由来しているという説もあります。 これは「物語の終盤に突然神が現れ、事態をむりやり強引に収拾する」という結末のことで、古い時代の演劇の技法にあるようです。

当時 神を演じる役者は舞台上部からクレーンで降りていましたが、このスタイルが機械仕掛けであったため、 このような呼ばれ方をするようになりました。またデウス・エクス・マキナは、 どんでん返し的なエンディングを意味すること もあります。しかしこの言葉は、ご都合主義的なハッピーエンドとして使用されることの方が、多いかも知れません。

劇中に登場するチューリング・テストとは?

その機械が思考できるか? という疑問から生まれたテストであり、マシンが人工知能であるかどうかの判別をするテストです。チューリング・テストという名は、 このテストの考案者であるアラン・チューリングの名前に由来しています 。

このテストの方法は、判定者である人が 壁を挟んだ向かいの機械と人間 、双方と対話をする方式で進められます。壁があるため判定者には、 相手が機械か?人間か?が分かりません。 その上で両者の区別がつかなければ、その機械はテストに合格したことになるのです。

劇中では通常のチューリング・テストではなく、ケイレブがAIと対面して行うテストを行っています。ネイサンは 「見た目からロボットだと分かっていても、人間らしさを感じるかのテストをするのだ」と言いました。 しかしストーリー終盤では、ネイサンの目的が実はそこにはなく、 エヴァは自由を得るためにケイレブを利用するか? を実験するものであったことが明らかになるのです。

エヴァはケイレブに恋心を抱いてなかった?

実際のところエヴァに恋愛感情らしきものはあったのか? ラストを観ればケイレブは利用されただけですが、その内面の過程は誰にも分からず謎のままです。つまり エヴァに恋愛感情などなかった、とはっきりは言い切れません。 そんな風に考えると、 私達人間同士でも意識して自覚できるのは自分自身の感情のみ であることに気付かされるでしょう。『エクス・マキナ』はある意味、 哲学的なことを考えさせられる映画 でもあります。

人工知能は人類を脅かす存在なのか?

スクリーンの中ではエヴァが、最終的に善良な人物を上手く利用し 生みの親であるネイサンに復讐するシーン が描かれています。 もしも現実でこんな事になったらどうしよう? と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしこれはあくまでSF「サイエンス・フィクション」としての物語であり、 実際にAIが人類を脅かす危険性はほぼ無いに等しい と言っても過言ではありません。

その理由は科学の技術がそこまで目覚ましい進歩を遂げるには、 かなりの時間がかかると言われているから。 よってAIが自我を持ち自由を求めたり、人類に危害を加えたりする恐れというのは、あくまで劇中のものであり、社会問題とは言いがたいかも知れません。監督はこの作品を通じて、 パソコンやモバイル機器の検索エンジンが自分達のことを一番よく知っている恐怖 を描きたかったようです。

『エクス・マキナ』のみどころ

【みどころ①】『エクス・マキナ』の目を見張るこだわりの映像表現

アカデミー賞の視覚効果賞を獲得した『エクス・マキナ』の各シーンでは、秀逸な映像表現に驚かされます。視覚効果賞とは、 CGや撮影された映像に合成処理を加えるVFXが特に素晴らしかった映画 に与えられる賞なのです。とりわけ、エヴァのメッシュのボディのデザインは新鮮で、話題を呼びました。 スケルトンで中が見えるボディ は、これまでの映画にはなかったAIの風貌が提案されたと言えるでしょう。

また研究施設の外観や内観も、通常のSF映画とは一味違った工夫がなされています。 監督は低予算映画でありながら、大富豪ネイサンの住居を表現しなければならないのが難題だった、と語っていました。 しかし彼は、この問題を「壮大な大自然の中に研究施設がある」という設定にすることで解決するのです。 大自然は、ネイサンの凄絶な権威の象徴 と言えるでしょう。

さらに監督は「いかにもSFっぽい感じの映像表現は嫌だったから、より温かみのある雰囲気を目指した」と言います。何とこの映画の撮影には、 15,000個のタングステン豆電球 が使用されているのです! 研究所内のライトが通常の映画と違う雰囲気なのは、このような工夫がなされているからかも知れません。

【みどころ②】ホラー映画顔負けの復讐劇

『エクス・マキナ』のストーリー終盤は、もはや ホラー映画と言っても過言ではありません。 クライマックスでのエヴァの復讐劇は、 実力派俳優らの演技力が最大限に発揮 されているのではないでしょうか。エヴァが声を荒げる訳でなく、憎しみの表情を浮かべるでもなく、静かにスッとナイフを刺すシーンなどは尋常でない怖さが感じられます。

またこの時にエヴァが微かに見せる表情が、ずっとネイサンのことを憎んでいたことを物語ってもいました。しかし皮肉なことに、 エヴァの一連の行動はネイサンがプログラムした結果なのです。 その後エヴァは他のAIからパーツをかき集め、自らの容姿を整えます。 AIが自ら共食い整備をするシーン は不気味であり、ゾッとするような思いをした方も多いことでしょう。

【みどころ③】人間とAIの対照的な思考

エヴァは 恩人であるケイレブを部屋に閉じ込めたまま 、自分だけネイサンのセキュリティーカードを使用し施設から脱出します。晴れて自由の身になり研究施設の庭を歩き回るエヴァの明るい表情には、 ひとかけらの曇りも感じられません。 もしも人間がこのような行いをしてしまったなら、大抵罪悪感に苛まれるのではないでしょうか?

仮にエヴァが冒頭から悪人として描かれているなら話は別ですが、 そんな風に見えなかった分だけ観客はショックを受けることとなります。 人間が不完全な生き物であることに対して、 AIは常に合理的な解決法を選択する 完璧な存在なのかも知れません。両者が対照的に描かれているのが、面白いところです。

まとめ

以上『エクス・マキナ』のあらすじやみどころを、ネタバレでご紹介しました。低予算、少人数のキャストで製作されたこの映画は、 SFの映像表現の可能性を大いに広げた作品 でもあります。 恋愛という題材をベースにAIの意識について問われた本作品 を再度鑑賞すれば、また新たな発見があるかも知れません!

エクス・マキナのレビュー・感想・評価

先日映画館で観た作品の監督つながりで鑑賞。映像は美しく、ストーリーも気が抜けない感じで引き込まれていく。ヒロインの演技(仕草)がロボットっぽくなくロボットだった(???)。AI v.s. 人間というより、女性(ロボットだけど)・善い男性 v.s. 男のいろんな悪い部分を兼ね備えた男性と思ったけど、どうも釈然としない。特にラストが。どうしても気になって監督・出演者のインタビュー動画を観たところ、単純に「政府や大企業が開発しているAIはこのまま進めると大変なことになりますよ!」のようだ。

1.5 ツッコミどころしかない

3.0 人間とAIの駆引き

5.0 美しきSFホラー

4.0 機械仕掛けだろうがなんだろうが、オンナはやっぱり怖いのだ…😨

アンドロイドのエヴァを演じるのは『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』『アンナ・カレーニナ』の、後のオスカー女優アリシア・ヴィキャンデル。 実証試験に参加したプログラマ、ケイレブを演じるのは『ハリー・ポッターと死の秘宝』『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のドーナル・グリーソン。 エヴァを開発した天才プログラマ、ネイサンを演じるのは『ドライヴ』『ボーン・レガシー』の、名優オスカー・アイザック。

第88回 アカデミー賞において、視覚効果賞を受賞! 第21回 放送映画批評家協会賞において、最優秀SF/ホラー映画賞を受賞!

3.0 うん、

3.0 おめでとう貴方が一番に選ばれました!人間とそれ以外の話。鏡世界の境界線。

4.0 雰囲気好き

4.0 未来的でかつ古風

3.0 すんごい不気味。AIロボを作ったと言うより女性を作った感じ。

3.5 【唯物論的且つ静的なサイエンティフィックムービー。'A24'の先進的なテーマ設定と、アリシア・ヴィキャンデル演じる美しきAIが自立していく過程も魅力的な作品である。】

ー 英国のSF映画は、名作「ガタカ」を代表として、アクションシーンが一切ない作品が多いが、観る側に訴求させる力強い映画が多いと感じる。 今作も同様である・・。-

・IT企業で働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、'抽選に当たり'僻地でAIの実験をしているIT企業の土地に赴く。 そこには、管理人ネイサン(オスカー・アイザック)がおり、更にキョウコ(ソノヤ・ミズコ)と呼ばれる表情の無いハウス・メイドが居る。 そして、現れた美しきAIエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)。 但し、顔以外は、人間の態をしていない。 - アリシア・ヴィキャンデル演じる美しきAIの姿が嵌り過ぎである。 更に言えば、ソノヤ・ミズコ演じる無表情なキョウコも印象的である。-

<そして、ある日、エヴァとキョウコがネイサンに突き立てた刃。 エヴァは、自らの肢体を試作品のAIから皮膚をもぎ取り、ケイレブを'実験室'に残し、完全なる人間の形態で新たな道を踏み出すのである。 静的で美しきトーンで統一するも、AIの新たな一歩をシニカルに描いたSF映画である。>

 
 
 

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