ウイスキー 酒 言葉
- Rolf Reeves
- Sep 22, 2023
- 12 min read
ウイスキー初心者に知ってほしい|これだけは覚えておきたい酒の用語辞典/ウイスキー編
スコッチ・ウイスキー スコッチ・ウイスキーにはモルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーがあり、ポットスチルで2度以上蒸溜される。ピートで香りをつけることによりスコッチ・ウイスキーならではの風味が出る。モルト・ウイスキーでは蒸溜所のある場所で異なるスタイルを持つ。一般にハイランド地区はスモーク香を強く感じてスパイシー、ローランド地区は軽くてブレンド用に最適、スペイサイド地区はエレガントでフルーティ、アイラ島はピートの香りが強く個性的。

アイリッシュ・ウイスキー 伝統的なアイリッシュ・ウイスキーはモルト、モルト化していない大麦、からす麦、小麦を材料にして、3度蒸留してつくられる。ピートを使用しないのもスコッチとの違い。
カナディアン・ウイスキー トウモロコシを原料とするコーン・ウイスキーとライ麦を原料とするライ・ウイスキーをブレンドし、最低3年オーク樽(主にバーボンに使った古樽)で熟成させる。ソフトな口当たりで飲みやすい。
アメリカン・ウイスキー 主なものにバーボン、テネシー・ウイスキー、ライ・ウイスキーがある。原料に51%以上トウモロコシを用いて最低2年以上新樽で熟成したのがバーボン。テネシー・ウイスキーはバーボンとほぼ同じ製法だが、蒸溜後、メープル(サトウカエデ)の木炭槽でろ過するため、バーボンよりもまろやか。原料に51%以上ライ麦を使用するライ・ウイスキーは、スパイシーな味わいが特徴。
ジャパニーズ・ウイスキー モルト・ウイスキー、グレーン・ウイスキー、ブレデッド・ウイスキーがある。スコッチ・ウイスキーを目指しながらも、単なるコピーには終わっていない。発酵時間を長くして、透明感のある発酵液をつくり、繊細なウイスキーを造りあげている。樽はアメリカンオークを主体にヨローピアンオーク、国産のミズナラ(少量)が使用されている。近年ではジャパニーズ・ウイスキーの価値が上がり、世界で高い評価を得ている。
シングル・モルト・ウイスキー 水と大麦のみを原料として、ポットスチルで蒸溜された、樽も熟成年数も異なるモルト・ウイスキーをブレンドするが、ひとつの蒸溜所で造られたものに限る。そのため蒸溜所の個性がはっきりと現れる。
グレーン・ウイスキー グレーン(「穀類」の意味だが、主にトウモロコシ)を原料にした糖化液でつくる。モルト・ウイスキーよりもアルコール度が低く、さらに連続式蒸溜器で蒸溜されるため、モルト・ウイスキーよりもピュアな仕上がりで、より早く熟成する。
ブレンデッド・ウイスキー モルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーをブレンドしたもの、複数の蒸溜所のモルト・ウイスキーをブレンドしたもの、複数の蒸溜所のグレーン・ウイスキーをブレンドしたものをこう呼ぶ。
モルト(麦芽) 発酵のための糖度を得るために大麦のでんぷんを麦芽糖に転化させる。水に浸された後、糖化を始めた大麦は発芽を始める前にピートや石炭を用いた乾燥炉に入れられ発芽を停止させられる。こうした大麦はモルトと呼ばれる。
ピート 大麦がモルト化する時、独特のスモーク香をつけるために使用される泥炭。
カスク(樽) ウイスキーを貯蔵・熟成するために使われる。漏れないこと、蒸発が少ない樽であることが必要なため、ウイスキー造りでは木質が緻密なオーク材が用いられる。オークの板を組合せ、帯鉄で留められた樽は内部を焦がす。焦がしの程度によりウイスキーに加わる風味が異なる。シングル・カスクとはひとつのカスクから壜詰めされたウイスキーで希少。
オーク 北アメリカ産のホワイトオーク、ヨーロッパ産のコモンオークにセシルオーク、日本産のミズナラなどのオークから、ウイスキー用の樽が作られる。
酒齢(しゅれい) 蒸溜の後、樽詰め時からのウイスキーの年数。ブレンデッド・ウイスキーのラベルに表示されている酒齢は用いられたウイスキー原酒のうち最も若いものでなければならない。
マイクロ・ディスティラリー 2~3人ぐらいの非常に小規模でウイスキー造りを行う蒸溜所。現在、世界中のウイスキー通が注目し「クラフト・ウイスキー」として、そのスタイルはスタンダードになりつつある。
単式蒸溜器(たんしきじょうりゅうき) 銅製の手作り蒸溜器。単式蒸溜器(ポットスチル)は1回ごとに中身を入れ替えるので単式蒸留器と呼ばれる。モルト・ウイスキーでは通常2回蒸留が行われる。
連続式蒸溜器(れんぞくしきじょうりゅうき) 分留塔と精溜塔からなる連続して蒸留できる蒸溜器。ポットスチルよりもアルコール度が高く、ピュアな仕上がりになる。
マリッジ ヴァッティングやブレンディングの後、ボトリングの前の熟成。この段階でウイスキーの風味が安定する。
テイスティング ウイスキーのテイスティングは色、香り、味わいで判断される。
ヴァッティング 「ヴァット」とは「槽」の意味。複数の蒸溜所からの熟成させたモルト・ウイスキーを入れ、混ぜ合わせる。できたものをヴァッテッド・モルト・ウイスキーと呼ぶ。ただ最近では、複数の酒を混ぜる時は全てブレンデッドと呼ぶことも多い。
ブレンディング 蒸溜後熟成させたグレーン・ウイスキー、グレーン・ウイスキーとモルト・ウイスキーを入れ、混ぜ合わせる。できたものをブレンデッド・ウイスキーと呼ぶ。
エージング(熟成) 樽で長期間貯蔵することで、蒸溜直後には無色透明だったウイスキーの色は琥珀になり、未熟な香りは消えてハチミツ香、穀物香、フルーツ香などの熟成香に変化していくこと。
ウッド・フィニッシュ ポートやシェリーに使用した樽で仕上げの熟成を行うこと。これにより新たな個性が加わる。
ウイスキーの味の表現とは?まずは基本的な意味を理解しよう
ナッツ系の表現は比較的わかりやすく、クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、プラリーヌの4つです。どの種類のナッツに近いかを考えればよいので、初心者でも感じ取りやすいでしょう。WINEYのうち、もっともWOODYに近い位置にあるのがシェリー系です。シェリー系の表現には、シャルドネ、貴腐ワイン、シェリー、マデイラ、ポートといったワインの種類が用いられます。これらは、いずれも熟成に用いた樽に由来するものです。
WOODYの表現
WOODYは、焙煎系、バニラ系、古木系、新木系の4系統に分けられます。焙煎系は焦げた感じを表す表現です。トースト、コーヒーの出し殻、茴香(フェンネル)、アニシード、甘草などが用いられます。バニラ系フレーバーの表現には、カスタード、プリン、メレンゲといった甘い香りのお菓子の他に、海綿が含まれています。海綿といわれてもどのようなフレーバーなのか想像が付きにくいところですが、バニラ系に含まれていることがわかれば、何となくイメージできるでしょう。
古木系の表現には、かび臭さや地下室といった、木とは関係なく古びたものを表す表現も含まれます。段ボール、鉛筆、インクといった文具系や、コルク、防虫剤に用いる樟脳なども古木系の表現です。それに対して新木系は、お香に使われる白檀や、生姜、胡椒、ナツメグ、オールスパイスといった香辛料が表現に用いられます。樹脂も新木系のフレーバーに対して使われる表現です。
SULPHURYの表現
SULPHURYは「硫黄のような」という意味です。この様相は植物系、石炭ガス系、ゴム系、砂地系の4つに分かれます。表現としては、あまり飲食物としてはよいイメージにつながらないようなものばかりです。植物系は、キャベツの青汁やカブといったまだ口に入れてもよさそうな表現がありますが、河口付近の汽水や沼気となると、あまりよい印象にはつながりません。
石炭ガス系には、炭化物や花火の燃えさし、マッチ箱といったイメージしやすいものの他に、コルダイトという表現があります。これは、ニトロセルロースとニトログリセリンから作られた無煙火薬です。火薬であることがわかれば、イメージしやすくなるでしょう。
ゴム系には、消しゴムや新品のタイヤといったイメージしやすいもののほかに、フェノール樹脂、焼け焦げたゴムといった表現もあります。砂地系に分類されるのは、晴れた日の砂浜という表現以外は、なぜか洗濯物、洗濯用のり、リンネルなど衣服をイメージさせる表現です。
FEINTYの表現
FEINTYは、ウイスキーのフレーバーホイールの中でもとくに独特な表現が多い様相です。ハチミツ系、皮革系、タバコ系、汗臭系、プラスチック系の5つの系統に分類されます。ハチミツ系にハチミツや蜜蝋が含まれるのはわかりやすいところですが、ウイスキーのフレーバーとして、ハチミツとハチミツ酒の違いを感じ分けるのは難しいところです。また、研磨剤という表現が蜂蜜系に含まれるのも、日本人には理解しがたいところでしょう。
皮革系には革張りの家具、新品の牛皮製品という表現の他に、粗挽き粉や全粒粉ビスケットが含まれます。粗挽き粉や全粒粉ビスケットがCEREALに含まれず、正反対に位置するFEINTYの表現になっている点は興味深いところです。タバコ系の表現には、タバコやタバコの灰の他に、乾燥茶葉や紅茶という表現が含まれます。タバコと紅茶が同じ分類になっているという点も不思議です。
汗臭系には、チーズやイーストといった独特な香りを持つもののほかに、古い運動靴や靴クリームといった食べ物のフレーバーに使うは思えないものもあります。プラスチック系は、さらに人工的であまり体によさそうな表現ではありません。ビニール合羽やポリバケツ、燃えたプラスチックと表現されます。
PEATYの表現
麦芽を乾燥させるときに燃やすピート(泥炭)に由来する風味に関する表現です。薬品系、スモーク系、魚介の燻製系、コケ系の4つの系統に分けられます。薬品としては、ヨード、タール、ディーゼル油の他に、病院や衛生用品という表現があるのが特徴的です。また、海藻のような香りという表現もなぜかの薬品系に含まれます。クレオソートという表現は日本人にはあまりなじみがないかもしれません。クレオソートは、コールタールを蒸留してできた液体がクレオソートです。
スモーク系は、お香、泥炭の煙、焚き火、燃えさしといったストレートに煙をイメージする表現の他に、正山小種紅茶といった表現もあります。正山小種紅茶は松葉で燻した中国福建省のフレーバーティーで、炭火で焙煎するウーロン茶に近い香りです。
魚介の燻製系は、貝の干物やスモークした牡蠣、スモークサーモン、アンチョビなどといった表現になります。日本人にもイメージしやすいフレーバーです。コケ系は、本当に苔の香りを指すというよりも、苔が生えているような場所の香りを指します。苔清水や樺の木、芝土、ヤチヤナギの他に、麻縄や漁網もこの系統の表現です。
FLORALの表現
植物系の香りは芳香系、温室系、草葉系、干草系の4つに分けられます。芳香系は、カーネーション、ココナッツ、ラベンダーといった本物の植物由来の香りだけではありません。香水、洗濯用柔軟剤、理髪店なども芳香系の表現です。温室系には、ゼラニウムの他に青いトマトやパルマバイオレットといった表現があります。パルマバイオレットは香りが強い八重咲きのスミレです。花屋の香りも温室系の表現に含まれます。
草葉系は、葉っぱや若木、もみの木、松の実、えんどう豆のさや、芝刈りなどイメージしやすい表現ばかりです。干草系は干し草そのものだけでなく、ハーブ系の香り全般が含まれます。日本人になじみのないものを挙げるなら、ヒースの花という表現です。北ヨーロッパに自生するツツジ科の花で、エリカという名前で呼ばれることもあります。
FRUITYの表現
果実の香りといっても複雑で、クエン酸系、非加熱の果物系、加熱した果物系、ドライフルーツ系、溶剤系の5つの系統に分けられます。クエン酸系は甘酸っぱいフルーツの香りです。オレンジ、レモン、柑橘類の皮、キウイなどがクエン酸系のフルーツにあたります。
非加熱の果物系はリンゴ、洋ナシ、イチゴ、モモ、アンズなどフレッシュなフルーツです。リンゴは赤リンゴと青リンゴに分けて表現されることも少なくありません。青リンゴの方がよりフレッシュな香りの表現になります。その他、フルーツキャンディーの香りも非加熱の果物系です。
加熱した果物系は、焼きリンゴやマーマレード、ジャムといった実際に火を通した果物の他に、砂糖漬けの果物や大麦糖も含まれます。ドライフルーツ系はレーズンやプルーン、イチジク、アンズなどです。柑橘類の皮の砂糖漬けは、加熱した果物ではなく、ドライフルーツ系の表現になります。溶剤系のフレーバーに関する表現の代表的なものはマニキュアの除光液やテレピン油、ペンキなどです。また、フーセンガムや飴玉もこの系統に含まれます。
CEREALの表現
穀類系フレーバーの分類は、麦芽汁系、調理野菜系、麦芽エキス系、もみ殻系、イースト系の5系統です。麦芽汁系のフレーバーには、ゆでたトウモロコシやオートミール、麦がゆといった表現が使われます。調理野菜系の表現は、ゆでたじゃがいも、マッシュポテト、スイートコーンなどです。
麦芽エキス系の表現は、ぬかや麦芽乳飲料の他に、牛の固形飼料といった表現が使われます。もみ殻系の表現に使われるのは、もみ殻の他は、乾燥ホップやエールビールなど、ビールをイメージさせるものです。イースト系は、イースト菌そのものの他に、ゆで豚やポークソーセージ、生肉、臓物など、かなり生臭いイメージの表現が使われます。
ウイスキー初心者でもわかりやすい味の表現とは?
フレーバーホイールの表現は、ウイスキー初心者にはかなり難しく感じられるはずです。似たようなフレーバーが、異なる様相のところにあるため、 よほど慣れなければ、どの表現が正しいのかわからないでしょう 。しかも、食品のフレーバーを表す言葉としては、あまりイメージのよくない表現もたくさんあります。その表現を使うことがウイスキーの魅力を伝えることになるのか迷うことでしょう。
ウイスキー初心者の場合、飲んだウイスキーがおいしく感じられたか、あまりおいしくないと感じたかのどちらかを表現できれば十分です。 その味わいが何に近いかを思い浮かべてみるとわかりやすいでしょう。
おいしい場合の表現
おいしい場合の表現は、どのような食べ物の味に近いかを思い浮かべてみます。香りなら、花のようなよい香りも含まれるでしょう。おいしい場合の表現は、果物系、花系、チョコレート系、砂糖系、ナッツ系、穀物・シリアル系の6つでどれに当てはまるか考えるのがおすすめです。 果物系なら、オレンジに近かったか、リンゴ系だったか、それともドライフルーツのような風味だったかを思い浮かべれば、他人に伝わる表現になります 。
おいしくない場合の表現
おいしくない場合は、どんな香りや味がしたせいでおいしくないと感じたのかを表現しましょう。おいしいと感じられない原因となりやすいのは、主に植物系、木材系、スパイス系、薬品系のフレーバーです。 どの系統の風味だったかを考えると、自分の苦手な味がよくわかり、他人にも伝わるように表現できます 。



Comments