どう に でも なー れ
- Rolf Reeves
- Sep 22, 2023
- 8 min read
どうにでもなれ効果:自分を責めると、絶対に変われないのです
落ち込んだ時に、「もう、どうにでもなれ」と投げやりになってしまう そんな経験、ありますよね。 人は、自己嫌悪を感じ続けることに耐えられません。 だから、どうにかして、一瞬で気分を上げようとしたくなるのです。 この本ではそれを、「どうにでもなれ効果」と呼んでいます。 もちろん、リフレッシュは大事。 リフレッシュして、新たな気持ちで頑張れればいいのです。 ここで問題にしているのは、リフレッシュのために「何をするか」です。 「治療」なのか、「痛み止め」なのか、その違いです。

空虚感に襲われるなら、まやかしの報酬
「痛み止め」の効き目は一瞬です。
効果がきれると、また自己嫌悪に戻るんです。
そしてまた、「痛み止め」を服用し、無限ループから抜け出せなくなります。
ストレスを感じているとき、人は分別を失います。
だから、速攻で効き目のある、「痛み止め」に魅力を感じてしまうのです。
欲しくて欲しくてたまらないのですが、手に入れた後は、たまらない空虚感に襲われます。
空虚感しか残らないような報酬なら、それは、心からの望みではありません。
それを「まやかしの報酬」と呼びます。
落ち込んだ時、人に相談すると、「気分転換しなよ」「リフレッシュしなよ」と、よく言われませんか。 息抜きが足りない、と。 ただし、その言葉には注意が必要です。 「そうだな」と鵜呑みにして、安易な行動をとると、かえって落ち込みが激しくなる可能性もあります。 そして、アドバイスしてくれた人を恨みたくなるものです。 必要なものは、リフレッシュではありません。 自分にとって何をすることが、気分の回復になるのか、まずはそれを知ることです。 まやかしの報酬と、ほんとうの報酬とを、きちんと区別しておかなければなりません。 自分の本来の望みを明確にしておくことです。 それがわからないと、無限ループにはまってしまいます。
理性には頼れない
まやかしの報酬だとわかっていても、ストレスがたまった時には、やはり、どうにでもなれと思ってしまうのです。 そんな時は、どうしたらいいでしょうか? 自暴自棄に走る前に、理性で止めますか? なかなかレベルが高いですね。相当な意志の強さが必要となります。 特に、ストレスを強く感じてる時には無理なことです。 では、どうするかというと、そもそもストレスを感じたときに、自己嫌悪を抱かないようにする それがポイントだそうです。 治療よりも予防に力を入れようということです。 それが次の話です。
自分に優しくする
自分との対話は、他者との対話と同じように
実はそれは、自分との対話でも言えることなんです。自分と議論をして、誤りを指摘して、自分の自尊心を傷つけて、その結果、どうなるかと言うと・・・ 自分に反発をするんです。 自分が自分に反発します。もう自分の目標なんてどうでもよくなり、自分の理性の声には聞く耳をもたなくなります。 他者との対話も、自分との対話も、原理はまったく同じだったんです。 だから、自分に優しくしてあげよう。自分で自分の自尊心を尊重しよう。 傷つけてはいけない。内なる自分が反発を始めます。
許してもらったほうが、変われる
ダイエット中の女性に関する、次のような研究結果があるそうです。 「仮に食べ過ぎても、自分に厳しくしないで」と言われた女性は、食べ過ぎる回数が減り、実際に体重も減った、と。 人は、許されると安心するんです。安心すると、自然と頑張ろうという気持ちがわいてきます。 逆に、厳しく責められると、反省して改めることさえ、どんどんできなくなるそうです。 罪悪感を抱き、自分を許せなくなるからです。 何をしても許されない。その不安感から、 「どうせ許されないなら・・・」 投げやりな気持ちに変化してしまいます。 人が変わるために必要なものは、「安心感」だってことですね。 「時には厳しく」と言っても、「厳しさ」の裏に「愛情」があることが必須です。 愛情さえあれば安心できるからです。 また、悩んだり落ち込んだりするのは、罪悪感や自己批判に悩まされている状態です。 罪悪感を持たなくていいなら、逃げる必要もなくなります。 失敗に対してきちんと向き合うことができ、次はどうしようかと冷静に考えられるものです。
脳を、自分の生徒として扱う
脳は、筋肉と同じだそうです。トレーニングを重ねれば、必ず鍛えられます。
大事なことは、毎日毎日繰り返すことです。
幼い子どもをさとすように、自分の脳にもよくよく教えてあげること。
自分に優しくすること、許すこと、そして、自分の本来の望みに向かって進むこと。
それらを毎日、脳に刻むようにしてみる。
自分に優しくする、そのことを習慣化しよう
「どうにでもなれ効果」に打ち勝て。ネガティブな人のための計画法「コーピング・イマジナリー」
S型と呼ばれる不安遺伝子を持つ人は、 「防衛的ペシミスト」 と呼ばれ、たとえそれまで成功していても「次は失敗するかも」と考えてしまうのだとか。逆に、あまり不安を感じないL型と呼ばれる遺伝子を持つ人は、 「戦略的オプティミスト」 と呼ばれ、根拠はなくとも「次も大丈夫でしょ」と考えられるタイプ。そして、日本人は、S型の遺伝子を持つ人が圧倒的に多く、98%は 「防衛的ペシミスト」 に該当すると言われています。
「自分はダメな人間だ」と卑下してしまうのは、本当にダメだからではなく、「ちょっとした失敗に対してクヨクヨしてしまう性質を、生まれたときから持っているから」だと認識することが大切です。そして、ネガティブだからこそ、自信過剰にならずに努力をできるのだと考え、自信を持ちましょう。自分の性質や置かれている状況を冷静に把握することが、成果を出す近道になるのです。
サボってしまう理由は男女で異なる
加えて、目の前の仕事から逃げるプロセスは、男女で異なるようです。中野氏によると、男性のほうが、 飲み会などの楽しい誘いに乗ってしまいやすい 性質をもっているそう。男性の脳は、女性の脳に比べ、やる気の元として知られる脳内物質「ドーパミン」の感受性が低いのだとか。つまり、男性のほうがドーパミンを多く必要とし、これまでの刺激から得られる報酬に満足しなくなって、より強い刺激を求めやすくなるそう。楽しげなイベントに自制が効きづらくなるのも、このせいだと考えられます。
一方、女性の場合は、誘惑には強いものの、 不安に弱い 性質をもっているそう。女性は、男性よりも心を安定させる「セロトニン」が少ないため、損害回避傾向が高いのだとか。「失敗したらどうしよう」という不安から逃れるために、重要なことを後回しにし、ほかのことに取りかかってしまうのです。
「どうにでもなれ効果(The What-The-Hell Effect)」
「目標を立てた直後は、意気込んで計画通りの行動ができる」という方は多いのではないでしょうか。しかし、少しだけサボったり、目標に反する行動をとったりした途端に、一気にやる気がなくなってしまった経験がある方も多いかもしれません。
これらの行動は、 「どうにでもなれ効果(The What-The-Hell Effect)」 と呼ばれています。この効果が発動すると、人は目標を投げ出してしまうのです。
冷静に考えれば、たとえ1日勉強をサボってしまっても、翌日からまた続ければ問題ありませんし、クッキーを2、3個食べても、そこで止めればダイエットに大きな影響はありません。しかし、人の脳は、「すでに計画から逸れてしまったのだから、もうどうにでもなれ。残りのクッキーも食べてしまえばいい」という方向に考えてしまうのだそう。もともとは、ダイエットに関する研究者らによって定義づけられたものですが、全ての目標に当てはめられることがわかっています。
スタンフォード大学の教授であり、心理学者のケリー・マクゴニガル氏によると、私たちは、悪い行動によって生じた嫌悪感を、慰める行動をとってしまうのだとか。つまり、ダイエット中にクッキーを食べてしまった嫌悪感を癒すために、さらに食べてしまうということです。
では、どうすれば、このような無意識の行動を防ぐことができるのでしょうか。オススメの方法は、失敗や挫折をあらかじめ計画に入れておくことです。「コーピングイマジナリー」という計画法をご紹介しましょう。
ネガティブな人にオススメの計画方法
前述した通り、日本人は遺伝子的にネガティブな性質を持っており「防衛的ペシミスト」と呼ばれます。これを提唱した心理学者ジュリー・K・ノレム博士いわく、防衛的ペシミストには、 「コーピングイマジナリー」 という計画方法が適しているのだそう。これは、不安を持っているからこそ、計画に失敗や挫折をあらかじめ組み込めるというメソッドです。
ノレム博士は、防衛的ペシミストを対象に、ダーツを使った実験を行ないました。実験は、被験者がダーツを投げる際に「真ん中に当たる!」というポジティブなイメージを持った場合と、「ダーツ盤の外側に刺さるかもしれない」というネガティブなイメージを持った場合で結果を比較するというもの。すると、後者のほうが、30%も的中率が上がったのだとか。しかも、ネガティブなイメージが具体的であるほど、成功確率が上がったそう。
同博士によると、想定される最悪なケースを想像する「コーピングイマジナリー」というメソッドを実践することで、防衛的ペシミストたちの成功率が上がるようです。ポイントは最悪の状況を思い浮かべ、そうならないための対策を立てておくこと。たとえば、大事な試験を控えている人は、次のような考え方ができます。
実際にコーピングイマジナリーを使って計画を立ててみた
「4ヶ月で体重を3キロ落とす」という目標を掲げ、以下の順番で、最悪のケースとそれを防ぐためにとる行動を書き出しました。
予想しうる最悪なケースを書き出します
1で記入した「最悪なケース」が発生してしまう要因を書き出します
1で記入した「最悪のケース」を防ぐための計画を書き出します
3で記入した計画を阻む要因を書き出します
4で記入した「計画を阻む要素」を防ぐための計画を記入します
【ライタープロフィール】 Yuko ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。



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